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初めての文喫、そのコンセプトを知る〜GLOBE+ MEETUPより

5月30日、六本木の文喫にて開催されたイベント「本屋さんを遊ぼう GLOBE+ MEETUP Vol.3」に参加しました。

ビジネスパーソンを対象とした……とありましたが、ジョブレスでも入れてもらえたうえ、充実度マックスの企画でとても楽しむことができました。 
公式レポを待ちたい部分もおおいにありますが、忘れないうちにかい摘んでレポートしてみます。

朝日新聞社GLOBE+とは

世界の「いま」を伝えるウェブメディアです。Webサイトとしては昨年の6月からスタートですが、それ以前は新聞の折込紙面として「GLOBE」があったそう。現在は月に1度の紙面と連動しながらも、サイトの充実ぶりには目を見張るものがあります。グローバルな視点で、世界の中の小さな日本であることを実感するし、刺激をもらえます。

そんなGLOBE+でたまたま目にとまったのが、「本屋さんに行こう(前編後編)」という記事。アジアの書店の今を追った分厚い取材量の記事でした。そこから告知されていたのが、今回のイベントでした。

文喫は行ってみたかったし、テーマが「本屋さんを遊ぼう」ってなんだろう? という興味から。実はどうやって遊ぶのか、応募時点では内容がよく分からなかったのですが、行ってみたら盛り盛りな2時間だったのでした。

<当日スケジュール>
①公開インタビュー:文喫という空間を楽しむ
②動画撮影ワークショップ「本屋を遊ぶ」
③「世界の書店事情」レクチャー
④動画発表・講評

あまりのボリュームに、まずは①のみ、②〜は別noteか追記にします!

①公開インタビュー:文喫という空間を楽しむ

文喫副店長の林和泉さんに、朝日新聞バンコク駐在編集委員の吉岡桂子記者がインタビューするという贅沢企画。アジア各国で本屋取材をされてきた吉岡記者がついに、日本で話題の文喫に切り込む現場です。嬉しい!

不勉強でこの日まで知らなかったのですが、文喫は出版取次業の日本出版販売(株)が経営しており、林さんは日販からの出向なのだそう。六本木は青山ブックセンターの跡地に、大手取次が目をつけて新しい取り組みを開始したこと、ますます興味深いです。

林さんはふんわりとして柔らかい方、それなのに芯はしっかりブレずにお話されます。以下、主だった文喫の成り立ちやコンセプトを拾ってみました。

・書店業界は暗いニュースばかりだけど、新しい挑戦をしよう!と入場料(1,500円)をとるシステムを考案した。
・いろんなタイプの席、いろんな関わり方、過ごし方、お客様の気分や状況にあわせて過ごせるように、長く滞在できる空間づくりを目指した。
・客層は、平日は一人客、フリーランスで仕事する人が多い。仕事に集中する時間と、息抜きの時間を行き来している様子。土日はカップルや友人同士、家族もゆっくり過ごされている。
・当初想定より本が売れている。売上のメインは入場料ではあるが、書籍売上の比率も高い。入場者の3〜4割が本の購入に至り、まとめ買いされる方も多いのが特徴。文喫は顧客単価が3,000円前後>一般書店では1,000〜1,500円。(吉岡記者、具体的数字に切り込む!)
・蔵書3万冊、基本的に1冊ずつしか置かない。一人ひとりが違った楽しみ方、自分だけの1冊との出会いを叶えられるように。ベーシックなジャンル分けのみ、いわゆる平積みがなく、本の高さは凸凹している。
・蔵書は当初から変わってきている。新刊も置いているし、水のようにいつ来ても違う品揃えになっている。
・(選書の責任重い?)>欲しい本がある人には不便な本屋。目的を持っていない状態で来てもらうと、本と目が会うような感覚で、潜在意識がわかると思う。
選書サービスがある。3日以上前までに連絡しておくと、スタッフが選書しておくサービス。それを買うも買わないも自由。本をはさんだコミュニケーションであると思っている。
・(どういう世界を共有したい?)>本と出会うための本屋。入り口の階段にあるネオンサインYes and Noがコンセプト読む人も読まない人も、くつろぐも集中するも自由。イエスもノーもどっちもあり、主張し過ぎない、押し付けない。曖昧さ、余白のある本屋でありたい。
・(林さんにとっての本とは?)>1冊読み切るだけが読書じゃない。大義名分なく楽しいもの、自分を知るきっかけとして本がある。

最後に吉岡記者より、本屋の楽しみは町の中にあること。文喫が六本木の町にあること自体が面白く、今後どのように溶け込んでいくのかが楽しみ、と締めくくりました。

お二人の、本や本屋への愛情が強く感じられ、初めての文喫にこのような解説があったことはとても貴重でした。

さて、文喫のコンセプトをじっくり伺った流れで、私たちはどのように文喫を楽しめるのか、ワークショップへ続きます。

乞うご期待!
※2019/06/11 ②をアップしました。



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