岩波文庫でしか読めない!【ダフニスとクロエー】岩波文庫チャレンジ69/100冊目
三島由紀夫を追いかけて・・ダフニスとクロエーを読む。どんだけ追いかけるんだよ(笑)。「潮騒」がさ、これに影響を受けて書いたとかあったからさ・・。
とはいえ、三島の影を強く感じたのは、先に上げたトーマス・マン「トニオ・クレエゲル」の方で、こちらは全く別の物語。
牧歌的でとても純な恋物語。訪れる困難(海賊、戦争)もあるけれど、神の恩寵で乗り越えてゆく。困難を乗り越える2人の恋、という設定ぐらいしか三島を感じなかった。果たして「潮騒」は全く彼が考えたストーリーであった。
本作は、特別な起伏はなく王道をゆく。あえて言うなら最後に明かされる捨子として育った2人の正体ぐらいか。初めての恋の初々しさや、恋ってこんなに辛いもの、がありありと書かれているのが新鮮だった。
性描写が露骨に過ぎると言う批評もあったようだけれど、全くそんな感じはしない。逆にこれこそが嘘偽りない恋では!と思った。
「性の目覚めとその成長過程」が主題という事で、ダフニスがクロエーを抱いて色々したいものの、アレのやり方が分からず泣いてしまう所なんか、可愛らしいじゃないか。物語の最後では無事にアレできるのですが✨
文学的価値もある。
伝存する古代ギリシアの恋愛譚の内、完全な形を保っているのは5作品しかない、その一つであるという事。
制作年代順
・「カイレアースとカロリエーの物語」カリトーン
・「エフェソス物語」クセノフォン
・「ダフニスとクロエー」ロンゴス
・「レウキッペーとクレイトフォーン」アキレース・タティオス
・「エチオピア物語」へーリオドーロス
ちなみに、自分が購入した時は「他では読めない」という下の帯がついていた。
(あぁ、いつの日か名作を読み終えたら、岩波文庫でしか読めない作品を読んでみたい)
岩波文庫100冊チャレンジ、残り31冊🌟
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?