有馬優から「小説『雑記帳』より。」のその後の話

登場人物のモデルになった人々のその後の話

小説『雑記帳』より。をお読み頂き、ありがとうございます。

この小説は有馬優にとって、とても大切なお話です。
珈琲店雑記帳が昔実在した店舗であることは以前「有馬優にとっての『雑記帳』」でお話しましたが、登場人物も各々ちょっとしたモデルがいます。

小説中盤、主人公素子が通学途中に出会う「シルバーグレイ」は、全くのオリジナルです。
でも本当は、彼はリチャード・ギア似ではなく、チャールズ・ブロンソンという昔の映画俳優似にしたかったのですが、素子にはハードすぎるかと。
新宿御苑の芝生の上で靴を脱いで・・・という映画『プリティーウーマン』のくだりが欲しいだけでリチャード・ギアになってしまいました。

小説後半に主人公素子は、ある企業でアルバイトをします。
そこで出会った「お兄ちゃん」と「お姉ちゃん」にもモデルがいます。
「雑記帳」のお客様で、人物像のみ小説に生かさせて頂きました。とても優しい、素子が慕うような素敵なお二人です。
「お兄ちゃん」が、本当に美味しいコーヒーを自分で淹れていたかは謎。
小説の中では、お二人の事を「鈴木さん」が「まぁ、後は二人の問題だからいいのか。」と言っています。
お子ちゃまな素子には分からない、お二人の色々な事情があったのでしょう。
実際のお二人はその後、ご結婚されています。

『雑記帳』は店舗を閉め、その後マスターがどうしているのかは憶測で「世界一周の旅にでも出ているのでは」など楽しい噂がありました。
小説内では「鈴木さん」が
「もし、本当に次の店を見てみたかったら、コンセプトも全てが今と違っていいなら、僕を探して。この雑記帳にたどり着いたみたいに。」
というセリフがあります。

「素子」は、たどり着いたのでしょうか。
「永遠はない」と悟った素子。
すでに「雑記帳」は存在しないのです。

「素子」自身もまた、永遠にその土地にいるのではなく、新しい自分の新しい未来を求めて旅立っていきました。
その後、素子は戻っていません。

この小説の感想を、読んでいただいた方にお聞きしたいのですが、ちょっと怖い感じもします。
ちょっと臆病な有馬優でした。

新しい小説へ・・・・・



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