見出し画像

市内RPG 52 回復の泉⁉

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。

1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、参加することを決めたのだ。

今は、僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」のところで修行して、試練のほこらに挑戦中。

素早く動く銅メダルスライム、銀メダルスライム、魔法で分裂する金メダルスライムを倒し続けて、奥へ奥へと進んでいる。

天狗の声によると、回復の泉があるはずだけど。

「目的の置き物も見当たらないなー」スライムたちに慣れてきた戦士ヤスが言った。
「なかなか広いわね。でも、地面が濡れてきたわ。回復の泉が近いかも。」
僧侶カナは、足元の泥汚れを気にしているようだ。

「これだーーーー」ヒラが突然叫んだ。

「ここが回復の泉だよ。」
「???」何もないけど。
「ここが回復の泉だよ。だって、魔力が回復するもん。」
ヒラの足元をよく見てみれば、小さな水たまりに足が浸かっている。バスタオル1枚くらいの広さの水たまり。

カナも水に触れてみた。
「ほんとーーーー。疲れがとれるーーーー」
ヤスも足を浸ける。
「力が湧いてくるーーーー」

ぼくも浸けてみた。
「・・・・・・」
確かに、疲れが抜け落ち、力が湧き上がってくる。

それにしても、なんて小さな泉なんだ。
「きっと水不足で枯れそうだったのよ。」
「見つけられて、ラッキーだったぜ。」
「でも、これじゃ、回復の水たまりだね。」
みんな、少しほっとしているようだ。回復の水たまりに感謝。

ぼくらは、水たまりに足を浸けながら、スライムを倒す。倒す。倒す。

いつの間にか、スライムは近寄って来なくなった。

ぼくらの強さが伝わったのだろう。これで、ずんずん進めるぞ。


これまではこちら。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?