愛の置き場所を見つけよう❗️
梶井基次郎の檸檬は、「私」が退廃的な暮らしの中で一つの檸檬を買い、それを爆弾に見立て過去の思い出である丸善を粉葉みじんにしてしまう妄想をするというある種突飛で、かつ細かな心理描写や美しい色彩などがひとつひとつ丁寧に描かれている名作である。
だが終始漂っている閉塞感だったり、書店に檸檬を置いて帰る気持ちは中々理解しにくいものがあることも確かだろう。
ということで
梶井基次郎と同じようなことをして彼と同じような気持ちになってみようと思います。
ですが実際に檸檬をどっかに置いて帰るのは勿体無いし、倫理的だったりフードロス的だったりな観点でも良くないので、今回は書店檸檬爆弾とはちょっと違ったキモーイング(意味:気持ち悪い行動 たった今俺が考えた造語。語呂が良い。)をしてみましょう。
今回行うキモーイングは………
デケデケデケデケデケデケ
デケデケデケデケデケデケ…
デケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケ
デケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケ………
デデンッ❗️
どうでしょうか。ゾッとしましたか?
これは俺がみすぼらしくて美しいものを探し求め、自分の町をどこか違う町だと思い込みながらあてなく歩いていなかった時に思いついたキモーイングです。
文章だけでは伝わりづらいかもしれませんね。
百聞は一見にしかず、一度一緒に体感してみましょう。
学校帰りにある、小学校の時よく遊んでいた公園の椅子。
か〜(笑)
こりゃちょっと定番すぎてキフレ(キモーイングフレンド)の方からは笑われちゃうかな(笑)
「椅子なの?普通ベンチじゃない?」と思ったそこのあなた、これがプレバトだったら夏井いつきに罵倒されていますよ。
たしかにベンチは「カップルが一緒に座ってる場所ランキング2023夏季大会」でも2位に入賞していました。
でもだからって愛探にベンチを持ってくるのは安直すぎる!雑すぎる!
がっかりです。
冬の俳句を書けと言われて
「寒い日に お鍋食べたら おいしいな」
って書くくらい馬鹿でマヌケで愚かな行為です。
愛探の愛は「プラトニックラブ」なのです。
肉体的欲求ではなく精神的欲求であるプラトニックラブを求める高尚な探究行為、それこそが愛の置き場所探しなのです。
俺は
ベンチ×カップル=セックス
であると考えています。
普通に考えて社会人カップルがシラフの状態でベンチに座ることがあると思いますか?
ありません。
もし貴方が夕方5時くらいに公園を散歩していて社会人カップルが2人でベンチに腰掛けている様子を見たなら、それは「朝10時くらいに起きてダラけている内に身体の距離が近付いていって気がついたら昼飯忘れるくらい無茶苦茶セックスしちゃっててやっと終わったらもう4時くらいやったからとりあえずシャワー浴びて晩御飯の食材をスーパーに買いに行った帰り道に『ここってこんな公園あったんやなー』とか言い出した彼女に仕方なく付き合ってその公園でベンチに腰掛けながら最近の韓国ドラマの話をしている社会人同棲カップル」だと思っていただいて構いません。
また高校生カップルの場合は「今日はどちらの家も親おるからとりあえず学校帰りの公園で一緒にいるカップル」だと考えていただいて大丈夫です。
このタイプのカップルは非常に厄介で、一見プラトニックに見えるんですが、30分ほど遠目に眺めてみてください。日が落ちるにつれて彼氏の手が彼女のスカートに吸い込まれていく様子を見ることができます。
あと中学生カップルはベンチに座りません。
小学校の近くにある公園の椅子に座るのです。
想像できませんか?
ある秋の日、部活終わりに2人で帰っている「ソフトテニス部のTくん」と「剣道部のNちゃん」。
「ねえ、手繋ごうよ。」
「今日は汗臭いからダメ!」
Nはそう言ってTの手を突っぱねる
「ちぇ、俺は気にしてないのに。」
「私はダメなの!」
ちょっと言い過ぎたかな、とNは思った。別に本当に汗を気にしているわけではない。もっと汗をかいでいる夏の日だって、別にTと手を繋いだことがないわけではない。
なんというか、Tが手を繋ごうと私の手を引っ張った時にTが怖い大人のように見えてしまったのだ。小学生の時は私の方が背が高かったし、男子だから、女子だからなんて気にせずに遊んでいた。けどいつの間にかTは私より身長が高くなっていたし、毎日ラケットを持っている手はゴツゴツしている。
「Tはまだまだガキだ。もう中学2年生なのに、好きな食べ物はハンバーグだし、いつもゲームの話ばっかり。」Nはそう思っていた。だけどTのゴツゴツした手は、毎月来る月触りは、NとTを大人にさせようと手招きしている。
「大人になんてなりたくないな。」
「ん?なんてー?」
昔のような態度でTが無邪気に聞き返す。
「なんでも。」
「うわ、懐かしー。」
Nのことは気にも留めず、Tは歩道沿いにある古びた椅子の方に駆け寄っていく。
「昔よくここで座ってポケモンしてたよな。」
「やったねー。」
覚えてくれてたんだ。
Nは自分のバージョンでは手に入らないポケモンが欲しいと言っていたTのために、9歳の誕生日にポケモンのソフトを買ってもらった。
XだとかYだとかもよく分からないし、ポケモンもやったことが無かったから、ゲーム自体はあまり楽しくなかったけれど、2人でこの椅子に座って過ごす時間はとても楽しかった。
「私は全然ポケモン分かんなかったけどTはずっとやってたよねー。」
「最近は全然やってないけどなー。」
「久しぶりに座ってみよっか。」
汗臭いから。といって1つ空けて座る。
座ってみたものの、ちょっと気まずくなってNはスマホを取り出す。
Tもとりあえずスマホを取り出す。
小学生の時に持っていた3DSは、中学生になってスマホに変わっていた。なんだかこんなことでも、大人に近付いているような気がした。
[することないね。]
口で話しかければ良いんだけど。と思いながらNはTにLINEを送る。
すぐにTのスマホに通知が鳴って、TはNの方を見る。
NはLINEで続けようと言いたげに、Tのスマホの方を目配せする。
[別に普通に話せばよくねー?]
[なんか恥ずかしい]
[そっか]
[てかさ]
[うん]
[全然汗臭くないよ]
[ほんと?]
[うん。]
Tが空いていた椅子を詰めてNの横に座り直した。
[ねえ。]
[だめだよー]
TとNの脚が触れ合った。
[別にいいじゃん]
[昔も一緒に座ってたし]
TがNをやにわに抱きしめる。
NもTを抱きしめる。
「大人、なりたくないの?」
TがNに顔を近づけながら言う。
「聞こえてたんじゃん。馬鹿。」
Nはそう言って、Tに唇を重ねる。
そうして、TとNは大人になった。
終
あか〜ん!!!!
すみません。
セックスになってしまいました。
疲れたので今回はここまでです。
次回こそは真面目に「プラトニック・ラブ」を探していきたいと思います。
お疲れ様でした。
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