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地方経済×コロナショック

このコロナショック、いつまで続くかわかりません。とりあえず、このショックにおける地域経済の状況を個人的見解として頭の整理をしてみようと思います。

自身で経済の混乱を目の当たりにするのは、リーマン、東日本大震災に次いで3回目の経験ですが、これまでは地域経済というよりももうちょっとマクロなところで当事者として体験したものですから、これまでとはまた違う経験をしていると思っています。

まず、今回のコロナショックの特徴は

①見えない敵(未知のウイルス)との闘いであること、②需要が消えたという点ではリーマンショック時と同じであること、③自粛が経済に及ぼす影響の大きさが想像以上であったこと

このあたりが大きなポイントとしてあるかなと思います。

特にここ何年か、地域経済はインバウンドをはじめ、観光関連産業の好調さや観光関連産業への注力によって地域経済を回していた感じがありましたので、自粛によって観光需要、関連消費が消えた点のインパクトは非常に大きい。観光関連産業、サービス産業はある意味、不要不急の産業であり、必要な消費ではなかった。そのため自粛の影響をもろに受けているところでしょう。移動の制限(海外を中心に)も大きく影響しています。

次に、製造業を中心とした第2次産業。下請け型のBtoBビジネスを行う企業が多い中、こちらはすぐの影響というより、これからどんどん影響が顕在化してくる、という感じでしょう。リーマンショックの時のように劇的な変化はないにせよ、厳しく見積もる必要があると思います。が、食品製造業は若干違っていて、冷凍食品や、加工食品など主にBtoCの商品を製造しているところは底堅い感じもします。ふりかけなんかはかなり好調ですものね、お弁当需要増大で。

一方、これまでと全く違う部分が一つ。雇用情勢です。リーマン、東日本大震災の時、鳥取県経済の重しとなっていたのは雇用環境の厳しさ。有効求人倍率が0.4とかそのレベルでした(正職員に限っては0.3とかそのレベル)。今はこの3月4月でどうなるかわかりませんが、1.5~1.6あたりです。仕事がないのではなく、人がいない、という状況にシフトしている中、このコロナショックによってどうなるか、ちょっとまだ見えていません。個人的見解としては、有効求人倍率は下がるでしょうが、下がり幅は限定的だと予想します。人が欲しい人が欲しいと言っていた事業者が、仕事が減って適正水準になるようにも思います。0.9~1.2あたりに収まるんじゃないでしょうか。

こんなところで、まとめると、

○地域経済は、思っている以上に消費経済化しているということ(もはや製造業の好不調が景気を左右する生産経済ではない)。
失業者が溢れるということはあまり考えにくい(収入ゼロになる世帯はそこまで多くないかもしれない)が、間違いなく世帯収入は減少。つまり経済の大収縮ではなく、低空飛行が続く。
企業淘汰は進む。なので、ある程度傷が浅いうちに円滑な退場を促すほうが幸せな場合も。企業再編によって効率化の動きが進む。
地方企業の採用は厳しくなる。自社が行う事業の社会的意義を説明できる企業でない限り、採用できなくなる。大手が採用を絞り、地方に回帰する人材は増えるかもしれませんが、彼らのポテンシャルやモチベーションを最大限引き出す努力をできる企業でないと人材定着は難しいです。若手人材は賢いです。

この4点、今回のコロナショックで感じているところです。このあたりをポイントとして、経済対策も考えていく必要ありますし、地域経済の主役たる民間企業に踏ん張ってもらいたいです。どちらかが頑張るのではなくて、こういう時こそ、一緒に乗り切る、そのための結節点というか、コーディネーターというか、ファシリテーターというか、そういう人材として役割を果たしていければいいなと思います。

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