【詩】ベールの中の序章

広葉樹の木洩れ日は
風のそよぎにきらめいて
茂みの中の雛鳥は
秘やかに羽ばたく

写真にうつる
幼い僕の笑顔には
青空の向こうの暗黒が
チラリと見える

記憶の隙間の
傷痕は剥き出しのまま
時は 色とりどりのベールを
幾重にも重ねてきたけれども

雛鳥の秘やかな羽ばたきは
木霊して
今も青空の向こうに
響いている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?