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困ったものである

なんでこう、この界隈の人たちは、いまだに、独善的で、現場も世間も知らずに、言語操作ばかりに明け暮れ、悲憤慷慨に擬態した害毒を垂れ流し続けているんだろう。

フェミニズムに類するものは、普段は避けるようにしているのだが、ふと、気になって、買ってしまって、読んでしまって、最終的に出てきた感想である。

ほんとに、もう、この人たちは、困ったものである。
二言目には、「労働、搾取、自由」の3点セット、三言目には「市場、貧困、再生産」で、ロボットなのか?馬鹿なのか?と思う。
映画や漫画、小説等をもとに社会を読み解くのが彼らのやりようだけれども、社会に対して当てたい定規がまずあって、常に恣意的に拡大解釈をしているだけであり、またその定規は結局のところ、自分たちのインナーサークルに対する媚態であるし、同時に彼らは結局のところ、自分たちがハマった作品の感想文を書いていたいだけに見える。

とは言いながらも、面白く読んだ部分もあった。
フェミニズムにも、第n波があると知って、なるほどと思った。思想もまた、感染症みたいなものなのかもしれない。
雇用機会均等法、第3号被保険者、派遣法の同時成立の話も、なるほどと思った。世相とフィクションのヒット作の間には、一定の相互作用があるのも、まぁ、そうだろうなとは思う。
ミートゥーの流れ弾みたいなところから始まった今般のジャニ問題、という大きな流れがよく見えるのも、全体としてこの本の優秀さを感じる。
あとは、ダイバーシティ&インクルージョンの、商業化、みたいな表現も、面白かった。このあたり、大企業の幹部たちが読んだら、どう感じるのか、興味深い。

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自分の生き方はこの人のいう「シャカイ系」の文脈にかなり近しいものであるように見える。そして、実生活においてはほぼほぼセカイ系的世界観で生きている部分があって、インターステラーもコンタクトも複数回観たことがあったので、そのあたりについては、色々と考えるきっかけとなった。
と、まぁ、色々と文句はあるが、現今の社会、経済を捉えるフレームとして、説得力の強い何かの気配を、感じ取った部分はあった。
そのあたりは、結構しっかりと掘り下げて考えてみたい。

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それにしても、ポスト新自由主義とかいう前に、空海ぐらい読んだら?と、思う。
問題は、男女間、組織間、人種間、国家間等における搾取ではない。有償か無償かとか、そういう問題でもない。そもそも、対価に金銭しか想定できていないのは阿保の所業であると、早く気づけと思う。
問題は、そういうことではないのだ。こっち系の人たちも、こっち系の人たちが連帯の思いを寄せる人たちも、敵対心をもやす人たちも、あらゆる方面の人たちの大部分が、問題は、そういうことではない、ということに、気付くことができずにいることが、本当の問題なのである。

このあたり、海の向こうからの、借り物のツールでなにかを論じ、論じた気になっている人たちの脆弱性だと思う。この脆弱性の問題は、これもこれで、大問題なのである。

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