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ニューヨークの茶道事情。アメリカにも熱心なお茶人が!

ごきげんよろしゅうございます。
今日は面白い音声を見つけたのでシェアさせてください。
ニューヨーク在住の女性が、現地での茶道の活動や茶道を通して感じ取ったことをレポートしてくださっています。

現地在住の方や役人や商社マン向けに茶道の講座があるのは納得ですが、茶室と日本庭園を移築させた本格的な茶道の施設があるとは驚きです!
そこまで入念に普及活動に取り組むのは裏千家のはず…と思ったら、やっぱりそうでした。

日本の茶室と庭園を一度分解して、ニューヨークへ職人を派遣して組み立て直す徹底ぶりで、現地には師範免許を持ったアメリカ人の先生がいて、きちんとお稽古をしてくださるそ
うです。

むかしの厩舎の内装を改築して、いくつかの茶室を設けてあるようです。

裏千家は茶道を
「伝える」
ことにとても熱心で、出版や広報活動を通して茶道の間口を広げることに大きく貢献されていると思います。

思いつくのは簡単でも、日本とまったく同じ茶室をニューヨークに作るのは大変な手間がかかりますし、やはり語学の壁が難しいですね。
外国人をお茶でもてなすのと、お点前の稽古を付けるのはわけが違います。講師はできればネイティブ、語学堪能な人。茶道だけでなく背景になる文化にも造詣の深い講師を育成するのは、海外で日本文化を普及させるためのキモですね。
日本のやり方をそのまま持ち込むのではなくて、相手の好みに合わせてアレンジが必要になると思います。

音声では、海外に住むからこそ感じる日本らしさについて、普段着の言葉でお話されているのが好ましく感じました。
京都は「いけず」だと言われますが、日本の文化も全体的にその傾向があって、黙示的でハイコンテクストではと思っています。
例えば、日本人だと
「3.11」
は共通体験として意識されて、心の痛みを共有することができるのだけど、アメリカ人にとっての
「9.11」
は、そうではない。
ニューヨークの人にとっては忘れられない悲劇の日であっても、別の州の人には別世界の出来事で、ましてニューヨークに移民として移ってきた人にとっては、出来事としては知っていても特に思い入れはないのだという指摘は、とってもリアル!
大統領選やスポーツイベントで、

USA!
USA!

と、ことさらに強調する風潮を見ていると、表向きは
「アメリカ人」
のアイデンティティと愛国心をアピールしていても、広大な土地を持つ国で移民が多ければ、コミュニティが細分化しているので、アメリカ人が共有する物語は見出しがたいのではないかしら、と感じていたので納得です。
ハリウッド映画やセレブリティがメッセージを発する役目を持つのは、
「アメリカの物語」
の担い手を期待されているからですね。

今日も茶道の話から脱線してしまいましたが、師匠から弟子への口伝とお点前という方法で、400年間にわたってオリジナルの形が継承されてきた茶道って、とても日本ぽい芸事だなあという結論にさせてください。


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