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三月、弥生の妄想お茶席コーディネート。

ごきげんよろしゅうございます。
春はたけのこ。

お正月が終わって一息ついたと思ったら、もう三月に入ろうとしています。
最近、ほんとうに時間が過ぎるのが早い。
時間が後ろに飛び去っていくような感覚があって、もしかして加速して宇宙の彼方へタイムワープしているのかも。

月が改まるとお茶室の掛け軸も新しい物に変わります。
三月はどんな物を拝見できるのか、今から楽しみにしているのですが、もっと期待を高めるために予想してみました。
ちなみに、二月の掛け軸は



雪解け

ではないかと予想したのに、利休さんの命日にちなんだ品物が掛かっていました。
無知って恥ずかしい。

三月は、

吉野の景色
若竹
花鳥風月

さすがに桜は題材にしないだろうと思うのですが…。
あるいは、
「我逢人」
の禅語に、仙人が酒を酌み交わす山水画が添えられている、とか。
三月は卒業や人事異動でお別れする人が多くなる季節。
別れがあるから、新しい出会いがある。
ご縁を得るのはありがたいことだ、という意味でしょうか。

でも、出典を辿ると、曹洞宗の開祖である道元禅師が、仏教の教えの真髄を求めて中国へ渡り、ようやっと師と仰ぐ御方を見出した時のことを、
「我逢人」
と振り返った、ということなので、出会いは大切というよりは、
「理想に出会えた」
のほうが正確な意味だと思います。

確かに、出会いがきっかけで人生が変わるものですが、むやみに出会いの数を増やすことは、良縁よりは悪縁を引き寄せがちではないかと思います。
だから、よい出会いは進んで求めなければいけないし、この人はと思える人に認めていただけるように、日頃から用意をすることが大事なのだなあ、と思いました。

全ての出会いには学ぶところがあるとしても、教えを受けるべき優れた人に出会うのは難しい。
海を渡ってでも師を求めた道元禅師の激しい思いが、
「人」
の字に込められている気がします。

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