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【60年代POPS】♬1960年代、レコード・プロデューサー列伝。(パート1)

まあ、この類の特集をする場合は、まず、アメリカの1960年代ガールグループソングの生みの親「#フィル・スペクター」を筆頭にご紹介するのでしょうが、ひねくれものの私は、そんな定石な大嫌いなのであります。

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⚫ジョー・ミーク(イギリス:1929年4月5日 - 1967年2月3日)

まずは、イギリスから。
まあ、「フィル・スペクター」がアメリカのキチガイ=天才プロデューサーなら、イギリスのキチガイPとして、「#ジョー・ミーク」を紹介せねばならないのであります。 (実際、ミークは統合失調症や双極性障害を患い、頻繁に襲ってくる妄想に悩まされていました)

スペクターも、「#ラモーンズ」の録音の際、スタジオ内で、ピストルを振り回して、「言うこときかへんのやっらた、撃つぞ、ほれ!ドタマに穴開けてほしいんかい、えぇ〜!」と銃器でメンバーを脅しながら録音を進めたそうですが。

こちら、イギリスのジョー・ミークさんは、ある日、ふと「あ、家主のオバハン、気に入らんからショットガンで撃てこましたろ」と思いつきました。
まともな神経の人間なら、本当に銃を撃たないのですが、そこは狂ってるミークおじさん。
家主のおばあさんの所へ行って、「死ねや、ヴォケ!」
パァーン!
おばあさん、死にました。

「あ、殺してしもたがな。ああああああああ、ややこしいことになってしもたがな。ええい!ワシも死んでけっかろ!」
と、ショットガンを口にくわえて足の指で引き金を引き、自分の頭を撃ち抜いて自殺。
せっかく「#Telstar」は1962年に大ヒットのに。その5年後の1967年のことでした。
あはは。狂ってますね。何を考えていたのか、わけがわかりません。
令和の現在なら、よく効く薬もありのですが。

では、ミークがプロデュースした作品でヒットしたものを、どうぞ。

◉トルネードス「テルスター」

ソビエトが、人類初の人工衛星「スプートニク」の打ち上げに成功したりして、世界中が、「宇宙ブーム」だったのに便乗した曲ですね。
1963年(私の生まれた年だ)に、全米NO.1になったカッコいいエレキインストです。

◉ハニーカムズ「オール・システムズ・ゴー!」
(ALL SYSTEMS GO!)

これも宇宙をテーマにしていますね。
「サンダーバード」とか「キャプテン・スカーレット」の主題歌にしてもおかしくない名曲です。
女性コーラスのアレンジとか、編曲も素晴らしいですね。

おまけに、この名曲も。ミークは、カッコいいポップスを創らせると天才的な才能を魅せますなあぁ。。。


◆ジョー・ミークは、徴兵されて軍隊で働いていた時、通信兵として、毎晩、徹夜で「宇宙から飛んでくる不思議で多種多彩な音」に魅了されたといいます。ミークは、「音」が大好きで、いつまでも「宇宙からの音」を聴き続けていたそう。
このときの経験が、のちのレコードづくりにおおいに役立ったとか。

ちなみに、ジョー・ミークは、

・「楽器がひとつも演奏できない。リコーダーも吹けない」
・「楽譜を読めない。絶対<無>音感だったそうです」
・「ゆえに、アーティストたちに、口三味線で、自分の頭の中の音楽を伝える。しかし、これまた不幸なことに、大音痴」
・「なので、とりあえず曲を演奏してもらい。そのテープをダビング重ねたり、切ったり貼ったりして、完成品を創った」とか。

こんな人でもポップスの歴史に残るプロデューサーになれるのです。
あ、あと、ミークは同性愛者です。ここはスペクターと違うところです。

ミークの特大ヒット曲。彼の頭のなかでは、女性コーラスは「宇宙からの天女の歌声」だったのかしら・・・。
のちに、大滝詠一師匠が「さらばシベリア鉄道」としてリバースさせました。

こうやって、ミキシングやダビングを繰り返すことが、ミークにとって唯一の幸せだった。


◆◇◆


⚫フィル・スペクター(アメリカ:1939年12月26日 - 2021年1月16日)死亡原因は、新型コロナウイルスの罹患による。

もう、オールディーズファン、シティポップファン、音楽ファンの間では、超有名な音楽プロデューサーですね。

一番忙しかったころのスペクター。
終身刑務所で、死ぬ前のスペクター。モジャモジャは、カツラです。享年81歳。

まずは、私のスキな「#スペクターの創った曲」ベスト3。三曲を続けて、どうぞ。

◉He's a Rebel (1962):クリスタルズ

⇑ 作詞作曲は、ジーン・ピットニー。ピットにーは、スペクターのプロデュースで「エブリブレス・アイ・テイク」というちょっとしたヒットを出したので、その御礼で、クリスタルに曲を提供しました。

◉Every Breath I Take:ジーン・ピットニー(1941年2月17日 - 2006年4月5日)

⇑ 大滝詠一が、大学時代に、初めて細野晴臣の家に行ったときに聴かされ、「なんというスゴイ曲だ!」とショックを受けた。
作詞作曲は、キャロル・キング&ジェリー・ゴフィンのご夫婦。

◉Do You Remember Rock and Roll Radio?:ラモーンズ(1979)

⇈ イギリスで起きた「#パンクロック」ブームに乗って、アメリカでもパンクバンドがいくつか結成されました。そのなかのひとつが、ラモーン。
兄弟でもないのに、メンバー全員の名前に「#ラモーン」が付きます。
このイントロのリズムは、高校野球の応援でブラスバンドがよく使っているような、ないような・・・。

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で、パート1のラストは、「狂っていない人」「普通の常識人」である音楽プロデューサーを。

⚫トニー・ハッチ(イギリス:1939年6月30日 - )

トニー・ハッチこと、アンソニー・ピーター・ハッチ大英帝国勲章(OBE、1939年6月30日生まれ)は、イギリスのミュージカル劇場およびテレビの作曲家です。
彼はソングライター、ピアニスト、編曲家、プロデューサーでもあります。
前者ふたりと比べて違いますね。勲章をもらっているんですからね。

40歳ぐらいのハッチかしらん。

ポップソング・コンポーザーとしては大御所中の大御所でしょう。
バート・バカラックかトニー・ハッチか、っていう。

ポップスなんですが、イギリス紳士らしい、襟を正した上品なポップスが魅力です。
上品でオシャレ。とくにソフトロック全開のコーラスワークがすごい

Tony Hatch の名前がついた曲を片っ端から集めてプレイリストを作って、ランダム再生しておけば間違いないっていう鉄壁のクオリティです。

私が生まれて初めて聴いたトニーハッチの曲は、やっぱりこの曲でした。
定番ですね。

◉Downtown:ペトゥラ・クラーク(1964)

⇑ ペトゥラ・クラークは、30歳のとき、この曲でデビュー。遅咲きの苦労人です。

「恋のダウンタウン」、歌詞よし、曲よし、編曲よし。けなすところ無し!

ペトゥラの曲でもう一曲というと、
「Don't Sleep in The Subway」(地下鉄内で寝てはいけません
どことなく、大滝詠一師匠の「レイクサイドストーリー」に似ていると思うのですが、いかがでしょうか。

◉Don't Sleep in The Subway:ペトゥラ・クラーク(1967)


トニー・ハッチは、イギリスで、さまざまなアーティストのプロデュースを手掛けましたが、なかでもヒット曲が多かったのが、「サーチャーズ」。

まずは、1963〜1964に、アメリカでヒットした、「ピンと針」「ウォーク・イン・ザ・ルーム」のジャック・ニッチェ&ジャッキー・デ・シャノンのコンビによる曲を、軽快なバンドサウンドにアレンジしてヒット。

で、この2曲の前の曲を録音する時の話。
売れて調子にのっているサーチャーズのメンバーにハッチは、
「これが次のシングル曲だよ」
と楽譜(デモテープ?)を渡します。

サーチャーズのメンバーは、
「なんだい、このタイトル。【砂糖と香辛料】だって。俺たち、コックじゃねえぜ」
「作曲したのは・・・ナイチンゲール?聞いたことのない名前だな」
ハッチ「新人なんだよ。まあ、とりあえず、演奏して録音だ」
「こんな曲、絶対にヒットしねえよ」

ところがどっこい。
1963年に全英第二位の大ヒットとなります。

「売れちゃったね」
「ははは、曲がいいからね」
「ナイチンゲールさんですか?」
「実はナイチンゲールっていうのは、ボクのペンネームなんだよ」
「え!ハッチさんの曲だったんですか!」
「そうなんだよなあ、これが。はははははは」

ええ話や。

◉Sugar and Spice:サーチャーズ(1963)

この曲は、ベトナム戦争をテーマにした映画「グッドモーニング・ベトナム」で、非常に効果的に使われます。
ご興味のおありのかたは、映画のほうも、ぜひ。

最近のトニー・ハッチ。大滝詠一との対談を聴きたかったなあ。。。


では、【パート2】をお楽しみに!


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