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X JAPANのYOSHIKIプロデュースXY 2023年11月11日、初の単独ライブを開催!

初単独公演“XY 1st FAN MEETING 「INITIUM」〜2023 in Tokyo〜 at東京 GARDEN新木場FACTORY


X JAPANのYOSHIKIがプロデュースするXY。
今年2023年6月30日のデビュー以来初となる単独公演が2023年11月11日に満を持して開催された。

(注:この記事の写真はXY公式がX(旧Twitter)に投稿したものを拝借しております)

肌寒い冬の気圧配置となった日にも関わらず、イベント会場にはこの日を心待ちにしていたXYファンがひしめき合っていた。手にはメンバーの名前が書かれたグッツや手作りのアイテムなどを持っているファンも見受けられる。

開場、そして開演へ。
オーディション時の映像が幕に映され、そこにはYOSHIの映像が流れファンの胸を打った。
開演直前、ファンがメンバーの名前を一人ひとり呼びかけると、多くのファンも呼応し合い、会場には「XY、XY」の声が響き渡る。
幕が上がるのを今か今かと待つ期待で、会場のボルテージははち切れそうになっている。
幕の向こうからKYOHEYのドラムが応え、ファンの間にどよめきが起こる。

不意にピアノの旋律が鋭く響き渡る。YOSHIKIのピアノだ。これは録音されたものだがプロデューサーとして愛息子たちの門出を見守り、ピアノで彼らを優しく包み込むかのようだった。
1曲目はYOSHIKI作曲の「XY」だ。
JAYが歌い出す。KARMAがHAYATOが、そしてRAIA、KANJI、KICEがそれに続く。オーディション時とは桁違いに洗練されたダンスボーカルチーム。BANDの楽器が唸る。13人のXYが確かに其処に刻まれていた。

自己紹介を挟むと、会場に一気に柔和な空気が溢れ出す。
一息つく間もなく、YOSHIKI作詞・作曲の新曲「Spiky Fashion」が始まった。
振り付けはマイケル・ジャクソン 「THIS IS IT」も手がけたトラヴィス・ペインだ。往年のマイケルを彷彿とさせるどこかメロウなダンスは見るものを釘付けにさせた。耳心地のいいリフレイン。思わず踊り出してしまいたくなるようなナンバー。おそらく『東京からパリへ』のような英詞があっただろうか。筆者は初見で記憶できないのが甚だ残念ではあった。ファッショナブルでダンサブル。XYの個性を際立たせる見せ場が随所にあった。これはまた実にMV化を希望する。映像としてXYにしか出せない世界観を是非とも感じてみたい。

その後、HAYATOのMCによりコール&レスポンスの練習をした。そう「DIAMONDS」の掛け声だ。これはファンの中ではオーディション時に非常に人気の高いナンバーだったが、オーディション後は音沙汰がない時期が続いていた。
しかし突然Sapporoコレクション23’で披露されファンを驚かせていた。
ダンスの激しい見せ場、そしてJAYの「DIAMONDS」はサツコレから初披露だ。P→★、MITCHY、KOSEIがうねる雷のように、体のラインを極限まで洗練させ、圧倒的なダンスを見せつけていた。
デビュー曲の歌Crazy LoveではJAYの高いボーカル力は周知の通りだが、KANJI、HAYATO、RAIA、そしてKICE。こんなにもボーカルとしての魅力が高いメンバーがXYには温存されていたのか。

曲はまだやまない。続いて、KICEのマイクが鳴り響く。「俺たちの大切な仲間の曲」
そうYOSHIの楽曲「COBAIN」だ。YOSHIの高音もそうだったが、KICEの高音もこんなにもカラフルなのか。ダンサーのメンバーを従え、ステージを楽しそうに跳ね回るKICE。さながらディズニーの何か映画を見せられているような、可愛いのにかっこいい。目を捕らえられてずっと追いかけてしまう。決して離してはくれない。KICEの不思議な魅力は形容し難い。

13人全員がステージに来て、トークコーナーが行われた。
メンバーとファンとが一体感をより感じられるコーナーとなった。時々歌舞伎町のホストノリがみられるKARMAの深い魅力もまた一興だった。

全員が袖へと去ると、ポツンとステージに置かれるキーボードと椅子。
KARMAとGAIが来た。GAIは「イヤモニするの忘れた」と会場を微笑ませながらその場で装着。うまく嵌められないらしくそこでも会場に微笑が湧き起こった。
一転、静寂に包まれたかと思うと、GAIがキーボードを奏で出す。GAIの伴奏に合わせてKARMAが歌う。二人だけのステージだ。YOSHIの名曲「MORE TO ME」KARAMはオーディション時に『最強の素人』と形容されていた。言わばその時には歌もカラオケが最強に上手い人止まりだったのではないかと思う。しかし今日のKARMAは違った。完全にアーティストだった。YOSHIの歌を自身の歌として昇華し、表現していた。途中からはGAIがキーボードを弾きながら主旋律を歌う。そこにKARMAがハモリを重ねていく。YOSHIというアーティストの曲。KARMAとGAIという意志を受け継ぐものが確かに存在していた。

BAND VOCALの二人が一旦去ると、KYOHEY、KAIRI、FURUTATSUが再びステージへ。ついについにBANDのステージだ。XYファンならどれほどこの日を待っていただろう。やはりYOSHIKIの遺伝子を感じさせるROCKを見たかった。聴きたかった。彼の愛弟子なら見せてくれることを夢に見ていた。
軽い音だったらどうしよう。あまりにも待ち焦がれていた間が長かったから、そんな心配も過ったこともある。

三人の楽器隊のインストだ。くる。ゴリゴリ音が太い。KYOHEYのドラムも重い。FURUTATSUのベース。強い。スラップが深部に何度も響いてくる。KAIRIはどうだ。もう遠慮なんてない。艶やかなギターに煽るような眼差し。覚醒したKAIRIがそこに居た。
三人の楽器隊を背にGAIとKARMAのツインボーカルが乗ってくる。なんだ?
YOSHIの楽曲「令和のロックスター」だ。
YOSHIKIが決めたツインボーカル。ここまで…ここまで完成されたのかと感極まりそうになる。
改めてYOSHIKIの先見の明にはぐうの音もでない。
こんなアーティストはいるようで居なかった。XY BANDのツインボーカル。何という色鮮やかで楽しげで飽きさせない存在へとアップデートしているのだろう。その後ろで少年が純粋にボールを追いかけているような、楽器がただ好きで仕方ないんだというような三人の楽器隊。努力に裏打ちされた確かな実力。


GAIとKAIRI

リーダーKYOHEYのYOSHIへのメッセージをMCに挟み、YOSHIとの思い出の曲「VOICE」
KARMAの声はいつの間にこんなに深く色濃くなったのだろう。GAIもヴォーカリストに最も必要とされる声の魅力を十分に兼ね備えた上に、多彩な音楽能力をこれでもかと見せてくれる。

ふと筆者が後ろを振り返るとYOSHIの実のお父様がYOSHIの写真を高らかに掲げて立っていらした。ご子息への筆舌にし難い想いがお父様から感じられて、それらが一度に押し寄せて、胸に熱いものが込み上げてきた。

GAIがYOSHIの曲へ想いを注いで完成させたと曲紹介をした。
オーディション時にYOSHIが披露した楽曲を完全にリアレンジし、書き直したものを見せてくれた。楽曲の名前はまだないのだろうか。ティザームービーが先日公式から出たため、近日何かしらの公開があるのだろうか。

YOSHIの楽曲がXYによって生まれ変わり、語り継がれていく。
彼が見たかった景色。彼らがYOSHIと交わした、世界をYOSHIに見せるとの約束。神様は無情なことにYOSHIという日本の音楽界、ファッション界、ひいてはエンターテイメント界の宝をあまりにも早く天国へと連れて行ってしまった。天を仰ぎ悲しみを堪えたファンがどれほどいたことだろう。
しかし、XYという13人のアーティストは奇しくもYOSHIという存在によって強固な絆を結んでもらったかのように思う。

演出上スモークが焚かれたステージには照明が織りなす美しい線がいくつも見られた。それはまるでYOSHIが操り糸を優しく、それでいてイタズラっぽく手繰り寄せながら、メンバーの未来を良い方向へと祝福しているようだった。


XYの進化はここから始まる。

P→★を筆頭にダンス&ボーカルが戻ってきた。P→★が最後の楽曲だとMCを挟み、13人全員がステージに降り立った。
イベントのトリにはYOSHIKIがXYのデビュー曲として書き下ろした「Crazy Love」を放つ。

日テレのスッキリ放送時には前代未聞の「ラララ〜」でサビを披露したところから、数日後のTGCでの完成版。そこからの「Crazy Love」とのXYの強い絆。
筆者は3月の幕張DUNKでのXY、5月の武道館DANCE DAYでのXYを観てきたが、それらは広い会場での完全なるアウェイのライブであった。他のお目当てのファンに埋め尽くされた会場で自身のパフォーマンスをするのは、XYにとって少なからず悔しい思いの方が強かったであろう。

だからこそ心から待ちに待った単独ライブでの「Crazy Love」を聴くことができ、涙を堪えるのは難しかった。

そして中心にいるJAYの圧倒的な歌唱力にも改めて驚きを隠せなかった。JAYはその人柄からもあまり感情を表に激しく出さないようなタイプに見受けられ、割と歌にもそのような印象を抱く。
しかし今日のJAYは別人だった。
「Crazy Love」の歌に感情を剥き出しにしたJAYがいた。

13人のXY。
あまりにも全員が個性的で統一感は一見、無いのかもしれない。
ただその個性が誰一人欠けてはならない。

最後に、筆者の私的観点から気付いた点を挙げさせて頂く。

RAIAの一皮剥けた著しい成長。まさに少年から大人の青年へと差し掛かるような魅力。恥じらいを捨てきれなかった少年が、挑発するような俺を見ろよというような眼差しを随所に出せるようになっていた。それでいて、第二部の最後には安堵したように子供みたいに泣いていた。デビューできたことへの一方ならぬ思い。やっと多くのファンに会えたことなど様々な想いが交錯したのではないだろうか。

そして、KANJI。鹿児島県出身九州男児。訛りも抜けない愛らしさが彼の魅力なのだが、XYに来る前のオーディション、0年0組では「水を飲んだらダンスの振りを忘れてしまう」と衝撃発言をしていた。そんな彼が百戦錬磨の舞台を潜り抜けてきたP→★たちと同じ舞台に立っている。どれほどのプレッシャーと苦しさがあっただろうか。同じステージに居てももうほとんど悪目立ちはしていない。愛らしい魅力あるKANJIがさらに大きく進化していく時、またXYが様変わりする日が来るのだろう。

KOSEIもダンスの見せ場がさらに光るようになっていた。XYの末っ子。まだ10代だということに驚きを隠せない。P→★と仲が良く可愛がられているが、P→★よりも意外としっかりしているKOSEIも見つけることができる。ダンスそしてプラスアルファKOSEIにしかない魅力も見せつけていって欲しいと願う。

XYの縁の下の力持ちはやはりP→★なのであろう。彼は幼い頃からアーティストとして場数を踏んできた分、気迫も気概も違う。その彼が次のキャリアに選んだXYという場所。思うように活動がままならず彼自身が不安に苛まれた時期もあったであろう。
だが、彼は今日のイベントで確信したと言っていた。XYで良かったと。
P→★は2部の最後のMCで言葉に詰まった瞬間があった。XYだけのファンを前にし彼なりに多くの想いが溢れたのかもしれない。オーディションの途中からただ一人追加メンバーとなったP→★。今では信頼できるステージのパートナーMITCHY、KOSEIもいる。そこに鮮やかな変幻自在ボーイKICEもいて、圧倒的なボーカリストJAY、そして忘れてはならない。明るさを振りまきながらも実は繊細ボーイ、だがしかし高いアーティスト性を兼ね備えたHAYATOもいる。HAYATOとP→★のそれぞれのMCもとても素晴らしかった。KANJI、RAIAは先述した通りだ。
P→★はもう一人ではない。安心してダンスボーカルチームを世界の頂点まで引っ張って行って欲しい。



1st FAN MEETING 「INITIUM」XYの13人

今回の単独公演1st FAN MEETING 「INITIUM」は、可能ならば脳内を何度でもリピート再生したいようなXYという魅力に溢れた一時間だった。

筆者が思うに、XYは国内のみならず海外でのROCKファンを必ず虜にできるポテンシャルを十分に感じた。楽器隊の上手さ、ボーカリスト二人の魅力。
またそこに加わる予測不可能なダンス&ボーカルの高い表現力。

どんな味が出るか分からない、高級チョコレートの小箱のようなXY。いや、さらにもう少し言うならば、今回の単独ライブは品書きのない高級料亭に招待されたかのような時間を味わうことができる極上の時間だった。

XYはこれからいかに楽曲をコンスタントにリリースできるかも肝になってくる。
とにかく早く今回披露したこの素晴らしいBANDの楽曲、そしてYOSHIのカバー曲、そして「Spiky Fashion」もMVを引っ提げ是非リリースして頂きたいと切に願う。

筆者の個人的な予測だが、特にXY BANDの楽曲は国内のROCK小僧、そしてかつてROCK小僧だった30代、40代、50代にどハマりさせられる魅力があると感じる。
そこから波及させて10代〜20代の若者にROCKの魅力を伝えられるのではないだろうか。

また、SNSでのファンの声は確実にXYに届いていることも感じた。
MCの最後でP→★が12月29日の配信イベントの開催も発表したが、それは今回急な単独イベントの開催が決まったことで、どうしても都合がつかず来られなかったファン、及び海外や地方在住のファンの気持ちを汲んで開催を決めたとのことだった。

今回の会場ではありがとうの声が多く飛び交っていた。
ファンへの感謝。
メンバーへの感謝。
そしてXY運営への感謝。

閉塞した世界の人々に心地よい風穴を開けて欲しい。
感謝に溢れたXYの初の単独公演“XY 1st FAN MEETING 「INITIUM」~2023 in Tokyo~はこうして大成功のうちに幕を閉じた。


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