クリーム2

ありがとう ぼくのワンダフルな12年と11ヶ月~天国からのメッセージ~ ①

この物語は脳炎という病気にかかってしまったクリームとしんペー家族の闘病生活を書いたものです。ペットを飼っている方に何か感じてもらえると嬉しいなと思います。
一気に全部書いてしまうと長くなるので、1章ずつ話を書いていきますね。

では、「ありがとう ぼくのワンダフルな12年と11ケ月~天国からのメッセージ~」のはじまりでございます!

はじめに

2017年10月6日(金)午前7時30分 12歳11ケ月。ぼくは天国へ旅立ったんだよ。10月にしては底冷えのする冷たい雨が降る朝だったなぁ~。
そして、今は天国でたくさんのペットたちと楽しく幸せな毎日を過ごしているんだ。

大好きな家族と一緒に過ごした日々3年半に渡る闘病生活そしてお別れまで。ぼくの12年11ケ月を通して、誰かに何かを伝えられたらいいな…
そんな思いでぼくの心の声をお母さんに送ってみたんだ。
そしてこの本を完成させてくれたってわけ。
この本を読み進めてくれたあなたはどんな人なのかな~?

読み終えたころ頃には心がほっこりして、みんなが笑顔になってくれるといいな~。
それが今のぼくの願いなんだワン!


自己紹介

まずはぼくの自己紹介ってやつからやっていこうかな。
ぼくの名前は「三輪クリーム」12歳11か月の男の子。
住んでいるのは兵庫県の姫路市。ちなみに今は天国だけどね(笑)
生まれたのは愛知県のとあるブリーダーさんの家。「けっとうしょ」っていうものにそう書いてあったよ。人間でいうと「こせきとうほん」ってものと同じらしい。

家族は、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、じゅんぺい(これもお兄ちゃんだけど、なぜか「じゅんぺい」って呼んでいる)そしてぼくの5人家族。
みんな仲良しで、とても楽しい家族なんだよ。

この三輪家にぼくは生後1か月半の頃にやってきた。そして家族の仲間入りをしたんだ!
そこからがぼくのワンダフルな犬生のはじまりはじまり~♪


お母さんとの別れ

ぼくが三輪家にやってきたのは突然のことだった。
あの日ぼくはペットショップのケースの中にいた。
そういえば、それもある日突然のことだったんだ。まずはその時の話からするね。

生まれてから生後1カ月半の間、ぼくは愛知県にあるとあるブリーダーさんの家で過ごしたんだ。
お母さんのおっぱいを飲んだり、お母さんの体にいつもくっついて手をムニムニすることが大好きだった。ぼくはとても甘えん坊だった。
お母さんのふんわりした毛。甘いおっぱいの香り。そして優しくぼくの体をペロペロしてくれる舌…とってもとっても安心した。今でもあの幸せな気分ははっきりと覚えている。

兄弟もいたけど何匹いたんだろう?みんなお腹がすいたらお母さんのおっぱいを手でムニムニしながら「われ先に!」と競争のように飲んでいた。「チュパチュパ」とおいしそうな音を立ててね。
お母さんは「いーっぱい飲んで大きくな~れ」と声をかけて、優しいまなざしでぼくたちの成長を見守ってくれていた。
でもそんな幸せな生活は生後1か月を過ぎたころから少しずつ様子が変わっていった。

気がつくと、ぼくたちの兄弟は一匹、また一匹といなくなっていったんだ。
「みんなどこへいっちゃったのかな~。おかしいなぁ~。」そう思いながらぼくはふっとお母さんの顔を見上げてみた。
いつもは子どもたちの姿を見て優しく嬉しそうなおかあさんの目はとても悲しそうだった。
ぼくは急に不安になり、思わずお母さんのそばに寄りギューッとくっついた。
でもお母さんはいつもみたいにギューッとはしてくれなかったんだ。
「なんでかな~。」と、その時は少し寂しい気分だった。
でも、今考えるとそれはお母さんの最後の優しさだったのかもしれない。
それまでに子どもたちとのお別れを経験してきたお母さんは、誰よりも別れのつらさを知っていた。
だから、ここでぼくをギューッと抱きしめたら、別れる時にぼくが余計に離れたくなくなるだろうと思い、わざとギューッとしてくれなかったにちがいない。
お母さんの精一杯の愛情だったんだね。ありがとう…お母さん。

そうして、次の瞬間ぼくはブリーダーさんにひょいと片手で抱き上げられ、お母さんと一緒に寝ていたあったかいお布団から連れ出された。
そして、なんだかくらーい箱のようなものの中に入れられた。

それからガタガタ、ガタガタ揺られて、、、
真っ暗なのでなにも見えないけど、いろんな音だけは聞こえてきた。
けど、生まれて初めて聞く音ばかりなので、ぼくには「なんのこっちゃ??」さっぱりわからなかった。
そのうちガタガタ揺られるのが気持ちよくなって、いつの間にか眠ってしまったみたい。
どれくらいの時間が経ったんだろう。ガタガタ揺られるのが止まり、急にパッと明るくなった。
「まぶしいな~。ん??ここはどこなんだろう?」寝ぼけていたぼくはボーっとしながら考えていた。


次回「ペットショップへお引越し」へ続きます。

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