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被写界深度

「被写界深度」難しい言葉ですが、簡単にいうと、ピントの合う範囲の広さ狭さと言えば良いでしょうか。
風景写真などでは、手前から遠景まで写真全体にピントの合った、被写界深度の深い(ピント範囲が広い)写真が多いです。ポートレートや花の写真では、自分の目のあたりや花のめしべ周辺だけにピントの合ったとても被写界深度が浅い(ピントの範囲が狭い)写真が多いです。
写真は意外と目で見た通りには写らないので、構図で面線の整理をしたり、レンズの望遠や広角の効果を利用して遠近感をコントロールしたり、見せ方で何をどう見せるかを演出します。「被写界深度」もその演出手法の一つです。

被写界深度を浅くして、背景をぼかして小さな花の存在感を強調しています。

人は、目で見た映像を無意識に頭の中で整理してから認知しています。
気になったもの、動きのあるもの、知っているもの、好きなものを立体的に視界全体の中から浮き上がらせてハッキリと視認することが出来ます。
例えば、大勢の子供が遊んでいる中で、自分の子供だけハッキリ見ることが出来る。その他大勢の子供達にもピントは合っているけど、注視していないので、無意識に省いて見ている感じで、ハッキリとは認識していないのです。
ところが写真は、あるがままに切り撮るので、公園全体にピントの合った「被写界深度」が「深い」写真を撮ると子供達も親たちもハッキリと画像として描かれて、何を撮った、何を見せたい写真なのか?が、分かりにくくなってしまう場合があります。

たくさんのカタクリの花の中で一輪スッと立ち上がって見えた。

いろいろなものがある場面の中で、一つのものを際立たせたい時は、被写界深度を浅くして、そのモノだけにピントが合うようにすると良いと思います。ボケ味やボケ具合味もよりますが、とてもドラマチックになります。

数十メートル先の桜と何十キロか先の山両方にピントを合わせる。

上の写真では、残雪の山の雪形(雪解けと形)と里の桜を両方活かして、春を表現したかったので、被写界深度をウンと深くして、すぐ前の桜とずっと遠くの山両方にピントを合わせています。
撮りたいものや見せ方によって、被写界深度を少し意識すると写真の表現の幅が広がります。

「どうすると、被写界深度が変わるか?」というお話は、少しややこしいので、またの機会にいたします。
簡単書くと、絞りの値「f値」が小さくなると浅く(ピントが狭く)なる。「f値」が大きくなると深く(ピントが広く)なります。
他にも、レンズの焦点距離35mmとか50mmとか135mmとかいうアレや被写体とカメラの距離なんかも影響します。
ね、ややこしそうでしょ(^O^)
でも、知っておくと便利な写真知識の一つであることは、間違い無いでしょう❣️

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