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地元のパーラー「どんちゃん」の思い出

前回は、沖縄県内にかつてたくさんあったコンビニ、ホッパーこと「ホットスパー」の思い出を紹介しました。今回は地元に根ざした、沖縄ならではの街のお店「パーラー」を紹介します。「パーラー」とは、お弁当や惣菜などの軽食をテイクアウトできる簡易的な売店です。お店によっては、購入した商品をその場で食べられるようにテーブルや椅子が設置されているところもあります。そんな「パーラー」の思い出を、沖縄市出身の仲宗根優介さんが執筆しました。

地元のパーラー「どんちゃん」の思い出

仲宗根優介(96年生まれ 沖縄市泡瀬出身)

「お兄さん今日は何色(何味)にするねー?」
「ねーさん今日はブルーハワイでお願い」

 中学生の頃から通うパーラーでの日常である。

 私がパーラーどんちゃんと出会ったのは中学1年生のころだ。通学路の途中にある美里工業高校の裏門のすぐそばのお店だ。安くて、早くて、美味い。聞き覚えのある三拍子がぴったりなどんちゃんは平日の朝は出勤前の社会人や朝練終わりの高校生で賑わい、昼は高校生や近所の住民が昼食を求めて店を訪れる。私が中学生の時に放課後の買い食いデビューを果たした思い出の場所だ。100円のアイスティー、150円のチキンで買い食いデビューを果たしたと記憶している。私の友人らは皆買うメニューが決まっていて、お気に入りの味を楽しんでいた。人気メニューはミックス(アイスティーxシークワーサー)、チキン、麻婆豆腐丼など.....挙げだしたらキリがない。


パーラーどんちゃん

 美里工業卒の家族や地元の先輩がよく話していたのは「他学科が使ってるパーラーには絶対に行っては行けない」という話だ。工業高校なので様々な学科が存在する(現在は5学科)。当時の学科数は調べることはできなかったが、それぞれの学科が「シマ(縄張り)」の様に利用するパーラーや弁当屋さんが暗黙のルールで決まっていた様だ。もし、その暗黙のルールを破ると先輩からどの様な罰が下されるかは、怖くて聞けなかった。パーラーどんちゃんはどこの学科の「シマ」なのだろうか。そんなことを考えながら大好きなメニューであるシチューを頬張った。

筆者の定番セットであるミックス(アイスティーxシークワーサー)チキン、シチュー

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