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別れの季節に思うこと

別れと出会いの季節を振り返ってみた話。
またいつもの独り言ですが、よかったらお付き合いください。

3月は別れの季節。私の働く飲食店は学生が多く、毎年この時期には超戦力の大学4年生が卒業していく。何人もいるので、それぞれの最終日は彼らにお世話になった後輩、お世話した先輩、仲良くした同期、友達etc…とお店はいつもとちょっと違う賑わいを見せる。

彼らにとっての大きな大きな節目の季節。おめでとう、おつかれさま、今までありがとうございました、これからも会おうね、と、言葉を交わし、お花を交換する姿を見ると、「春が来たなー」と思わずにいられない。
彼らはどんな気持ちなのだろうか、と想像する。新しい世界の不安もありながら、キラキラした未来に胸躍らせるのか。意外と冷静に、今後の人生計画を練っているのか。多分人それぞれだろうけど、そんなみんなに、おめでとうを送りたくなる。

そんな季節は手紙を書く機会が増える。メッセージカードに、便せんに、思いをしたためるのだ。この文化は私が学生のころから変わらないことに、実はちょっと驚いている。卒業生も送る側もお手紙で気持ちを伝え合う。

私は某映画館で大学4年間を過ごした。そこは学生100人弱が勤める映画館で、なんとアルバイトは学生のみ、社員は10人弱。今思うと何て楽しいバイトだったのだろうと思う。でも、サークルみたいなワイワイさもありつつ、そこで敬語の基本やビジネスマナーなど、もう社会人になれるんじゃね?ってくらい学んだ。めっちゃ叱られたし、先輩になったらめっちゃ叱った。わたしが先輩だったら嫌だなと思うくらい、当時は厳しかった。今も厳しかったらごめん。気を付けてはいる…

そんなバイト先はこの季節、大楽日会という、卒業生の送別会があった。とある居酒屋をほぼ貸し切り、みんなを一気に送り出す。たぶんなんか、いろんな催しがあったと思うんだけど、思い出せない…けど、とにかく信じられないくらいのお花や贈り物をいただいた。そして手紙も…
そして、居酒屋から次に向かうのは、チケットカウンター前の広場。総勢100名弱のメンバーで集合写真をとり、そして一人ずつ胴上げをするのだ。

もちろん、私も飛ばされた。

私は本当に忘れっぽいので、ほとんど何にも覚えていないけど、飛ばされた時のあの、天井が近くなる視界や、たくさんの人の手が私を受け止めて放り投げる感覚を今も思い出せる。
「なんでもできる」ような気持になる快感の時間。

そのあとは大体カラオケとかに流れて、朝まで遊びつくすのが恒例。
家に帰り、眠りにつき、夕方に目覚めて、プレゼントや手紙を片付ける。この子はこんな風に思ってくれていたんだ、嬉しいな。またあえるかな。あぁ、そんなこともあったよね。と、私が忘れていた出来事や、私への思いが伝わる瞬間。当たり前に過ぎていた時間が、実は相手にとっての気づきの時間だったと知ることができる喜び。

そんなことを、彼らの卒業する姿を見ながら思い出していた。

そんな卒業生の中に、とても仲良くしてくれた人がいた。何歳離れているか、計算するのもおっくうになるほどの年の差の子。いつも笑顔で好奇心に満ちた大きな目で世界を見ている。

彼女とはたくさん話をした。お店での出来事はもちろん、わたしの事も。どの話もキラキラのおめめ👀で話を聞いてくれて、たまにはわたしよりも怒ってくれて、笑ってくれた。

この一年は私にとって大きな変化の一年だった。今まで抱いていた私の本心の価値観と、社会のズレみたいなものを見極める時間。隠れていたわたしの中の自我のようなものがムクムクと形になっていった一年。

これっておかしいよね?を、口に出す力をもらえた年だと思っている。

わたし自身も目まぐるしかったその季節で、そばでわたしを肯定してくれた彼女の存在に心から感謝している。そして、物事はなんだって、肯定から始まるということも、彼女とのやり取りで教えてもらうことができた。ありがとう。

わたしを知っている人はたぶん、わたしがとっても忘れっぽいことを知っていると思う。めちゃくちゃ悩んでたことも、傷ついたことも、わたしの心の喉元を過ぎると、忘れてしまうのだ。納得したら形が無くなる。

形がなくなるだけで、わたしのどこかに存在はしている。よく言う、血や肉となって残る感じ。でも、うっかり認識しなくなってしまう。

だから、今回、彼女から手紙を書いて、手紙をいただいて気づくことができた。何事も肯定と共感なのだ。めっちゃ当たり前のことなんだけどね、なかなか難しいよね。

それを再確認させてくれた彼女にとても感謝している。ありがとう。

卒業は今生の別れではないけれど、環境の変化による関係性の変化は起きて当然。いろんなことがまた変わっていくけれど、大きなおめめ👀のあの子が投げかけてくれたように、わたし自身がわたしに寄り添って、たまに問いかけて進んで行こうと思う。

胴上げをしてくれた映画館の方とは、ありがたいことに今でも遊んでいる。それぞれの進む道を数十年にわたって観察し合っている。観察って変かな。でもそんな感じ。だから、お店で働けなくてもまた新しい形になっていくんだろうなー。これからもよろしくね。

改めて、卒業生のみなさま、おめでとうございます。これからの新しい生活も、HAPPYで溢れますように❤️なにかあったら、わたしはいつもここにいるので、遊びに来てください。

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