とうもろこしに興奮した41歳の夏
三重県大台町から「弥起井(やきい)のとうもろこし」と言われる、とても貴重なとうもろこしをいただいた。
農地の面積が小さく大量生産できず、地元のみで販売している。大台町の道の駅 "奥伊勢おおだい" でも即売り切れてしまう人気商品で、この夏からやっとネット販売がスタートした。とにかく手に入らない激レアもろこしなのだ。
そんな貴重なとうもろこしを送ってもらえる自分は特別な存在なのかもしれないと増長しかけた。しかしどうやって調理するのかわからないことに気がついて冷静になった。幼い頃におばあちゃんが、よくおやつで出してくれていたが、茹でるのか蒸すのか、それとも焼くのか…とまったく検討がつかなかったのだ。
まあ実際は皮を少しむいて、レンジで5分チンするだけだったのだが。(おいしい食べ方が記された説明書が同梱されていた)
この状態のとうもろこしを、
このくらいの状態にして、
500Wの電子レンジで5分チンするだけ。するとこうなる。
あとは食べるだけ。これなら誰でもできる。電子レンジを初めて使う人間でも調理可能だ。
幼い頃はとうもろこしよりチョコレートの方がいいなどと、今思えばおばあちゃん泣かせのクソ生意気なことを言っていた気もするが、タイムマシンがあるならとうもろこしの茎でぶってやりたい。
それほどのこの「弥起井のとうもろこし」は別格だった。今まで食べたどんなとうもろこしより美味い。もしも対抗できるものがあるとするならば、『となりのトトロ』に出てくる「トウモコロシ」だけだろう。
あまりに美味すぎるので、私と妻で食べ尽くすのではなく、会社に持っていくことにした。おばあちゃんが言っていた「美味しいものは、みんなで分け合って食べる」精神を実践したのだ。
早速、新卒2年目のKちゃんに食べてもらったのだが、ランチのあとでもむさぼっていた。
さらに新卒の男子2人に1本ずつ配ったのだが、先に食べた1人が我慢できずに2本とも食べた。そのくらい美味いのだ。まさか飽食の時代と言われる現代において、お前のとうもろこしは俺のものと言わんばかりのジャイアン的な行動に出るとは思わなかったが、それほど、狂わせてしまうほどの美味さが「弥起井のとうもろこし」にはあった。
1セット(8本入)が届いた当初、こんなにたくさんいただいて申し訳ないと感じたが、すぐにでも追加注文したい。すでに2019年の販売は終了している。来年、2020年の予約販売(5月〜6月頃)を待つしかないのだ。
まさか41歳にもなって、とうもろこしで感動し、渇望することになるとは思わなかった。今すぐ食べることのかなわないとうもろこしの話をして、正直すまないと思っている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?