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文芸関連の記事

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文芸に関する評論、エッセイをまとめました。
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記事一覧

カロッサとリルケ

詩人丸山薫の詩集「花の芯」(1948年)から、「カロッサとリルケ」を取りあげてみたい。 この詩…

臨  機清
2か月前
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シュペルヴィエルの詩「森の奥」から

「森の奥」 ジュール・シュペルヴィエル ・今回の記事では、詩人丸山薫の随筆「シュペルヴィ…

臨  機清
6か月前
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リルケの聖書詩から

このしばらく、リルケ(Rainer Maria Rilke 1875-1926)の全集を図書館から借り出して読んでいた…

臨  機清
8か月前
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聖書における百合について

新約聖書を紐解くと、キリストによる次の発言が載っている。 これは古来より有名な箇所で、文…

臨  機清
8か月前
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「原民喜全詩集」より

この約一月ほど、鞄にいれて外出時ずっと持ち歩いた本に「原民喜全詩集」(岩波文庫)がある。私…

臨  機清
9か月前
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武満徹、長田弘の沈黙のことばから

作曲家、武満徹(1930-1996)氏が残した言葉に、次のようなものがある。 私は、先日投稿した「…

臨  機清
11か月前
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五月の樹に触れて

もうじき五月が終わろうとしているが、梅雨入りした今、この一月をふり返って最も鮮やかにイメージされるのは、やはり「陽光の輝き」だ。慌しくストレスの多い日常のさなかにあっても、その都度澄みきった五月の光の美しさを感じることができた。 寒冷に沈み込んだ長い冬の眠りから醒めて、街のあちこちで緑が映え、躍動する。目一杯の光を吸い込んだ植物の彩りをどう言葉で言いあらわしたらいいんだろうか、と、考えながら歩く時間は愉しく、それ自体が休息でもあった。 ※ ところで、わたしは今月、街や近

シルヴィア・プラスの詩作品について

詩人シルヴィア・プラス(Sylvia Plath 1932-1963)の新刊本が来月発売されるのだが、先週、行き…

臨  機清
11か月前
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noteの詩人の人々と、チャーリー・パーカー

noteを始めてから数ヶ月、という身だが、このサイトを通じて幾人かのすぐれた詩人の存在を知る…

臨  機清
1年前
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風と桜の道を歩く

毎年、桜の季節になると私は、近隣のあちこちを巡って桜をみる。といっても、スケジュールによ…

臨  機清
1年前
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ZABADAKの詩世界 (動画追加)

私は以前、当noteでの拙文「上野洋子 & 坂上真清コンサート」(削除)にも少し書いたことだった…

臨  機清
1年前
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詩人達の一行詩

丸山薫「帆 ランプ 鷗」から 詩人が、ただこの一行の中に籠めているものは膨大だ。ひとつに…

臨  機清
1年前
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梶井基次郎の「檸檬」から

梶井基次郎「檸檬」の中に、筆者の印象に残っている言葉がある。 或るときからこの箇所が浮か…

臨  機清
1年前
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アイルランドの女性

アイルランド伝統歌のなかに「アイルランドの女性」(Mna na hEireann)という曲がある。伝統歌、といえど作詞作曲者の記載があり、たいていは(O Doirnin /O Riada)となるのだろう。 ドーナル・ラニーが監修したオムニバス作品「魂の大地」(96年)で、ケイト・ブッシュが歌ったことで、おそらく広く世界に知れわたることになった。(こちらで視聴できます。youtubeより) この曲はそもそも、1969年、同国の音楽家ショーン・オ・リアダ(1931-1971)