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大学でどんなパンキョウをとる?②

さて、前回から「大学でどんなパンキョウをとる?」ということで、それぞれの大学では、同じような科目が設定されているのかどうか、調べていたら、脱線し放題で、結局、本題に入れずじまいでした。昔の大学のパンキョウって、こういった「脱線」が醍醐味だったのですが、いまは、90 分しっかり授業をされる先生が多いのですかね。

さて、前回は、北海道大学で開講されている「全学教育科目」という体系があり、そこから「一般教育演習(フレッシュマンセミナー)」とか「人間と文化・環境と人間・歴史の視座」といったテーマ別(学問別)の講座とか、「英語・独語・仏語・英語技能別演習」といった語学講座があったりした、という話題でした。

さまざまな大学のシラバスを拝見していると、関西大学でも、「共通教養科目」として、1年次から履修できる体系があり、「基礎科目群」「自己形成科目群」「グローバル科目群」といったようにテーマ(学問)群に分かれ、さらに、たとえば「自己形成科目群」では「人間を知る」「社会を知る」「自然と向き合う」といった、前回見た北海道大学で言うと、「人間と文化」「環境と人間」に該当しそうな講座が開講されています。関西大学の場合、そこから、各学問分野をベースとしたテーマで講座が開かれていますが、「哲学入門」とか「心理学入門」といった名称ではなく、学生にとって親しみやすいような名称となっていました。

もう少し具体化してみると、北海道大学と関西大学のシラバスを参考に、「経済」をキーワードで検索してみると、たとえば、北海道大学の場合、「経済史入門」「ミクロ経済入門」「経済・経営学入門」などが出てきます。一方の関西大学でも、「経済学」「ミクロ経済」「マクロ経済」「日本経済」がタイトルに含まれる講座が出てきました。大学によっては名称さまざまですが、1 年次から履修される「パンキョウ」「共通科目」は、名称だけでみると、どの大学でも同じようなものが開講されているようです。

なお、特に私立大学には多いようですが、自らの大学の歴史などを学ばせる「●●大学講座」「●●大学の学び」といった講座が、パンキョウに含まれています。シラバスの内容を拝見すると、どの大学も、創設者の考え方、これまでの研究や教育の成果により築きあげてきた歴史や思想を学ぶもので、「入学者にぜひ知ってもらいたい」という思いが伝わってきます。

 

さて、学生たちにとって、どのような一般教養が人気なのでしょうか。
もちろん、大学、学部、学科、専攻、担当する講師によって、これはバラバラであり、調べるだけ「ヤボ」ということはわかっているのですが、気になりますね。

こういった時は、ぐーぐる先生よりも、ツイッターさんから検索すると、よい答えを導いてくれそうです。

な、なんと、2015 年と古い投稿ですが、「上智大学2015 年度春学期学生 が選ぶ全学共通科目Good Practice」なる投稿がありました!詳細まではわからなかったのですが、4 つの講座がGood Practice として挙げられておりました。どうやら、学期末に学生に対して実施する授業評価アンケートのなかで特に優れていた講座・講師を紹介する、といった取り組みのようです。これはTwitterの投稿だけかと、上智大学のホームページを拝見すると・・・
ありました!

「2020 年度秋学期全学共通科目Good Practice」として表彰式が開催された様子がホームページに掲載されていました。

 

授業アンケートを活用して学生が受講した科目を評価するという方法は、ある意味、「何とかランキング~♪」といったもの以上に、アカデミックな方法が活用された評価ですので、非常によい講座であるような気がしてきます。

他の大学でも上智大学のような「表彰」というかたちで取り組みをしているのでしょうか。

ありました、ありました!

「パンキョウ」に限られているわけではありませんが、京都女子大学では、『学生アンケートによる優秀授業賞』表彰式と、上智大学と同様に、学生による授業アンケートから高い評価を得られた授業が表彰されており、成蹊大学では、2019 年に同じ制度を新設(ベストティーチャー表彰制度)したとありました。

京都女子大学の取り組み

成城大学の取り組み


また、これは完全に「パンキョウ」というわけでもなく、少々趣旨がずれてしまいます が、東京大学でも、2020 年から2021 年(2020 年度)にかけて行われたオンラインまたはハイブリッドの授業において「オンライン授業等におけるグッドプラクティス総長表彰」なるものが行われており、(1) グッドプラクティスに関する教員からの応募、(2) オンライン授業等に関する学生アンケートで評価の高かった授業、(3) オンライン授業実施にあたり特に顕著な貢献をした教員が対象で、総長に表彰されるという取り組みがあったようです。

 

さまざまな大学のホームページを見ておりますと、授業評価アンケートを活用した表彰制度のようなものは、私立大学に多いように思います。国公立大学については、このようなアンケートから授業を表彰するという取り組みは、東京大学以外、ウェブサイト上では、主だって調べることができませんでした。

話は戻りまして、先ほどの上智大学では、学生による授業評価アンケートの結果から、全学共通科目を表彰するという取り組みでしたが、2020 年度秋学期の授業では、4つの授業が表彰されており、1つが宗教系科目、2 つが食と健康、さらにもう1 つが情報系の授業でした。

もう少しツイッターさんで人気の「パンキョウ」を探してみると、結構見つかるものですね。

投稿された学生の「つぶやき」をいろいろ見ていると、正式名称はわかりませんが、「東京藝術大・美術解剖学」「東京大学・文化の記号学」「香川大学・心理学D」「神戸市外国語大学・社会心理学入門/臨床心理学入門」などが具体的にあげられており、先輩から新入生へのアドバイスとしては、「人気の講座や科目は抽選や先着になるので、早めに登録すべし」というものが目立ちましたね。

結局、学生にとってどのような講座・科目が人気であるのか、よくわかりませんでしたが、ツイッターさんの「つぶやき」をみる限りですと、何となく想像していた「単位が取りやすい授業」というのが、必ずしも「人気」というわけではなさそうです。やはり、せっかく大学に来ているのだから、そこそこ「知的好奇心をクスぐってくれるお話」を求めているのかもしれませんね。

ちなみに、筆者が生まれて初めて受けた大学の授業は「心理学Ⅰ」という授業でしたが、はっきりいって、何を言っているのか全くわかりませんでした。

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