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短歌「かたくり記念日」

春ひさぎ諭吉の顔が増えるたびわたしの中の神さまが減る


「なんの本?」訊けないままで秋になり裸のうなぢにひかりゆれをり


きみの着た色褪せたシャツが揺れていてなんだか眠くなってくる午後


伏字の父と伏字の母を親に持ち伏字のいまを愛しています


課金したことも忘れて寝過ごした大学生活すらも忘れて


期待され死んでしまったN君の墓前に秋の風心地よく


キッチンに片栗粉降るわれわれの記念日にふさわしく笑った

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