短歌「洗濯機的パラロギズム」

{[命にて]=/私の光/は誰か/へと/届いていますか/=[〈〈不安〉〉が鳴りて]}

愛したよ瞳の名札も剥がしたよぜんぶあげるからこっちに来てよ

プールから上がったみたいに燦々と注ぐ言葉の花束がある

1と2を交互に数える父と母、倦怠を攫う風を真似して

洗濯機壊れてしまった洗濯機パラロギズムに踊り疲れて

散るだけの桜の頭上に広がるはまだ名前さえない青い空

僕はこう、君はそう、変わらないままで、僕らを掠めて、時だけ過ぎて

植物は恋して廻る太陽へ 真似る目玉はたったのひとつ

深海に引き摺りこまれて眠ってた 嘘をつきたくないと思った

純粋に壊れた部分を愛でるだけ そんな誤解を背負ったままで

「服着れば?」「宇宙の孤独よ」「さもあらん」「愛ってなあに?」「煮魚定食」

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