見出し画像

生物・生物基礎教科書比較【新課程】

 新課程の入試が始まるまで2年を切った。私は教育課程が変更される度に生物の3社6冊を比較している。大手予備校講師や医専の講師と話すこともあるが多くの講師が主要3社(3社の占有率が高いためこう呼ばれている)を比較している印象である。もちろん5社全てを比較される方もいらしゃる。
(主要3社:東京書籍、数研出版、第一学習社。他2社:実教出版、啓林館)
 私は毎課程で主要3社を比較して教材作成をするが特に第一学習社を軸に教材を作成することが多い。理由は単純で図説にスクエア生物を使用しているから。もちろん作成教材が極端に1社に内容が偏ることは無いし、それを防ぐために3社を比較しながら作っている。大手予備校で指定される方は少ないが、首都圏の医専の多くで採用されているのが第一学習社のスクエア図説である(過去に大手の映像授業も任されている医専の先生で用語が記載されているページ数まで覚えて授業されている方もいらっしゃった)。毎年入試を踏まえて改定されていることや内容の踏み込み具合を比較した結果で選ばれているのかと思われる(私は選んでいる、余談だが新課程から表紙の可愛いリスが復活した)。

 少し話が逸れたが今回は第一学習社と数研出版の教科書を比較する。
【第一学習社 生物】新課程は❷
①生物311平成29年2月23検定済464ページ
❷生物705令和4年3月23日検定済400ページ
変更点
・QRコードが追加され、進むと動画が見られる。
・①はA5版だったがB5変型判に変更。
・ハーディー・ワインベルグの法則は参考から本文へエンドサイトーシス、エキソサイトーシスは本文から参考へ変更する等マイナーチェンジが見られる(今回はこの2つを数研でも比較)。

【数研出版 生物】新課程は❷
①生物310平成29年2月23日検定済440ページ
❷生物704令和4年3月23日検定済440ページ
変更点
・QRコードあり。
・第一学習社と同じくB5変型判に変更。
・ハーディワインベルグの法則、エキソサイトーシス、エンドサイトーシス全て本文から参考に変更

【第一学習社 生物基礎】新課程は❷
①平成28年3月9日検定済232ページ
❷令和3年3月30日検定済232ページ
変更点
・生物と同様QRコードがある。
・B5変型判に変更
・基質特異性は発展から本文へ、生物濃縮は発展からコラムへマイナーチェンジ(今回はこの2つを数研でも比較)。

【数研出版 生物基礎】新課程は❷
①生基316平成28年3月9日検定済232ページ
❷生基707令和3年3月5日検定済256ページ
変更点
・QRコードあり。
・B5変型判とA4の同一内容の2つから選択可能(生基707と708)。
・基質特異性は発展から本文へ、生物濃縮は本文から参考へ。

 この記事では8種類の教科書を比較したが、それぞれの教科書会社で今回も教育課程によって用語の重要度が統一されているわけではないことがわかった(記事では2社、4用語しか扱っていないが勿論もっと沢山ある)。それぞれの学校で使用する教科書は1種類だから予備校では教科書間のギャップを無くすために教科書を比較して教材作成をする必要がある。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?