オウンドメディアで差別化するために必要なこと

10月24日、トライバルメディアハウスが主催する「熱狂ブランドサミット 2017」に参加してきました。お目当ては、「北欧、暮らしの道具店」の青木さんと、「ことりっぷ」の平山さんの対談。

おふたりとも、僕のはるか上をいく、大先輩のような存在。それぞれが発信してきたことを鑑みながら、今のメディアのことをどんなふうに捉えているのだろうかと思って、あれこれ想像しながら聞いていました。

※ このエントリーは、このイベントに参加して「いいな」と思ったところを自分なりにこれまでの記事と絡めながらまとめた記事です。

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メディア運営者が大事にするべきことは、愛情

先日、平山さんがこんなツイートをしていました。対談でも同じ話をしていて、このための伏線だったのか…と思いました。

長くやれているメディアには、「世界観(デザイン)」「テーマ(専門性)」「背景(なぜそのテーマなのか)」「愛情(主体性を持って楽しいと言えるか)」の4つの前提がある、というもの。特に4番目の「愛情」は、メディアを続けていく上で特に大事な条件であると言います。

対談の後半の方で、オウンドメディアでは「中の人が幸せそうに(楽しそうに)見えること」が、メディアへの読者のコミットメントにつながるという話をしていて、これは「愛情」の話にもつながりそうです。

まずやるべきことは、運営者自身がメディアに対して愛情を持つこと。当たり前だけど、中の人が「面白い!楽しい!」と思ってやっていないオウンドメディアは、読者からしても伝わってくるもの。楽しそう感を醸成することは大事だなと思いました。

ハーバード・ビジネス・レビュー前編集長の岩佐さんが、過去にnoteで「面白さは、自発性から生まれる」という話を書いていて、楽しそう感を醸成するためには、自発的に新しいことを仕掛けていかないといけないのだなと思いました。

楽しそうに仕事している人は自発的なのである。逆に言うと、仕事を楽しめていないと、自発的なアイデアが出てこない。自発性を求めらえると、恐らく苦しいのではないだろうか。楽しめる仕事とは、自発的になれそうな仕事である。その仕事に対し、「楽しめそう」という人たちが集まると、とてつもなく面白そうなものが出来上がり、想像以上の成果が生まれるに違いない。

その方法として、平山さんがやっているのは、「読者に会う」「同志を見つける」「外に出てみる」「一人称で語る」の4つ。最近外に出ていないので、ぐっと寒くなる前にふらっと外に出ようかなぁと思いました。

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仲間になりたいと思ってもらえるかどうか

だんだんと読まれるようなメディアになってきて、そのメディアのことを好きだなぁと思ってもらえるようになった先にあるのが、「読者が運営者と仲間になりたい」と思ってもらえるか。そこまでいくと、メディアとして優位性ができるのだと思いました。

以前、青木さんとヨッピ—さんがこのテーマで話している記事があります。

▶ オウンドメディアで仲間づくりの研究を!ヨッピー&「北欧、暮らしの道具店」青木耕平対談

僕は、オウンドメディアは、仲間を増やすための取り組みなんだろうなと思うんですよね。自分たちの会社や商品に共感してくれて、欲を言えば、ヨッピーさんを擁護してくれる人のように、いざというときに助けてくれる仲間を増やすことが目的だと思います。

そして、みんなが仲間になりたいと思うのは、「すごい人」か「楽しそうな人」であるのかなと思うので、まあ、すごい人になるのは簡単ではないですから、楽しそうにやっている感は出したいなと思います。

そういえば、以前、青木さんが「なくなると寂しいメディアになれるか」という投稿をしていましたが、これも、仲間になりたいと思ってもらえたからこそ生まれる感情なのだなと、点と点がつながったような感覚です。

サザエさんを全然視聴していないのに終わるとなると「寂しい」、ほぼ日がなくなると「寂しくて悲しい」、でも良く読んでいる「東洋経済」や「NEWSPICKS」がなくなると「不便」だが個人的には「寂しい」「悲しい」という感情は持たなそうだ。自分たちが良く見てるひとからも、しばらくご無沙汰のひとからも「なくなると寂しいな」と思ってもらえる存在になれてるか。そこだろうな。

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差別化するには、〇〇の高い記事をつくること

続いて、運営側のマインドの話から、コンテンツの話に。オウンドメディアで他と差別化するためには何をしなければならないのか、について。

それは、端的に言うと「コンテキストの高い記事をつくること」だと、青木さんは言います。

「質と量はキャッチアップが可能、という前提において、唯一差別化できるところと言えば、『誰がやっているメディア』なのかというところだと思っています。つまり、レシピや片付け記事のような前提を共有しなくても読める記事(ローコンテキスト)だけをつくるのではなく、『その人たちだから読む』というようなハイコンテキストな記事もつくっていくことが重要なのです

…この話、最初はハテ?と思ったんですが、だんだん理解できました。

エンゲージメントだけを求めるのであれば、「●●選」のようなまとめ記事や、料理のレシピ記事、片付け記事などをつくれば、メディアの初見読者であっても前提条件なしで読めるので、数字は伸びやすいです。

でも、それだけをやっていると、PVとかUUとかの数字では優位性があるものの、規模の大きいメディアが参入してきたら、その部分は差別化にはならないわけです。

じゃあ、どうするか。

それが、一瞬PVなどの数字を落としそうに思える、中の人のエッセイや仕事内容の話を綴った記事をつくること。“そのメディアには誰がいるのか”を外部に向けて発信することが大事なのだと言います。今回の対談の場では「Who文脈で記事をつくる」と言っていました(〇〇さんが書いているから読んでみよう、みたいな)。

ちなみに、「北欧、暮らしの道具店」では、そういう一人称で書くエッセイの方が読了率がすこぶる高いのだそうです。【スタッフコラム】と呼ばれているものの中で、個人的に好きな記事は、これ。

仕事がいそがしいときは、書く!
「私にはわからない」をやめるのは今?
「習うより慣れろ」が大事なときと、そうでないとき?人が何かを学ぶときのことを考えた。

(↓)クリックして見てタブを見てみるとわかるんですが、記事タイトルとSEOタイトルを変えているんですね!記事タイトルは「【店長コラム】「そうだ!歌舞伎座へいこう」をしてきました。」でした。

ちなみにその「Who文脈」、自分自身話を聞いてハッと感じたことですが、名前と顔を出して名乗っただけではWho文脈にはならないということ。

人は、知っている人の話に本能的に耳を傾けるのだそうで、書き手についての“エピソード”を想起できることが重要(だから有名人はいろんな人に話を聞いてもらえるわけ)です。

だから「北欧、暮らしの道具店」では、編集方針として【スタッフコラム】として定期的に自分が考えたことや悩んでいることをエッセイのように書いているのだなと気づきました。こういう人も悩んでいるのね、と共感を呼び、この人たちについてのエピソードをじわじわと増やす。

それが、いつしか買いたいにつながればいいな、と考えているのだそう。“メディアの信頼を増やす”と言い換えてもいいかもしれません。

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愛されていることを指標で見るとすれば

そういえば、以前読んだ記事の中に、こんな記事がありました。

本当のインフルエンサーとは、自分の投稿をリツイートしてくれる人

インフルエンサーの定義が大事。インフルエンサーとは誰にとってのインフルエンサーかということなのです。例えばフォロワー数100万でも自分のツイートをリツイートしてくれないのであれば自分にとってのインフルエンサーではないですよね、フォロワー30人でもいつも自分のツイートをリツイートしてくれるのであればそのユーザーは自分にとってのインフルエンサーなわけです。だから私の考えるインフルエンサーの定義は「自分の投稿をリツイートしてくれる人」なのです。

平山さんは、「コメント付きでリツイート(引用RT)してくれる人」だと言います。青木さんは、「過去に20回訪問した人の割合が変わらずに純増しているかどうか(新規ばかり/常連ばかりにならないようにする)」を見ていると言います。

投稿をリツイートしてくれる人、コメント付きでリツイートしてくれる人、常連の訪問数を割合変わらずに純増しているか見る、どれも、そうだなぁと思いました。

でも、それはSNSのパワーバランスはメディアによってかなり違っていて、「北欧、暮らしの道具店」ではTwitterはなかなか反応がよくないのだそう。逆に、ことりっぷはTwitterに強いのだそう。

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今回の話を聞いて、次に活かすこと

夜のうちにコンパクトにまとめるぞ、と思ったんですが、あまりに長くなってしまいました…。話を聞いて、よしやるぞと思ったことは、以下の2つです。

① メディアで、エッセイ的なものを書くこと
② 初見だけでなく、ハイコンテキストな記事もつくること

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最後に、今日取ったメモで〆を。

青木さん、平山さん、ありがとうございました!

話していただいた内容から、またいろいろと考えていかないといけないなぁと思った濃密な1時間でした。

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そういえば、僕がやっているCAKE.TOKYOでいうと、最近やった「たねや」の特集は、ハイコンテキストになるかも、なんて思いました。

どうして話を聞きに行ったのか、僕自身がたねやに興味を持ったエピソードをできるだけ端折らないで書くように心がけました。いきなりはじめたこともあり、普段の読者にとって異質になってしまったのか、最初はPV数が下がってしまったけど、蓋を開けてみると結果的には、どの記事も通常記事よりも多くの人に読んでもらいました。滞在時間も、他よりもすごく長かったです。そのときの振り返りはここに書きました。

連載「たねや」に寄せて。

あぁ、ここまで大々的ではなくても、たまには、こういう記事も定期的にやっていきたいなと思いました。

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平野太一

タイムカプセル的

いつかまた読み返したい、その当時の自分が悩んで書いたnoteをまとめているマガジンです。 2017/02/06〜
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