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めんどくささを乗り越える

帰宅後夜ごはんを食べ終え、お風呂にも入って少しだらだらした後、歯をみがいていると、「何でこんなにはじめるのってめんどくさいんだろうねぇ」と、彼女は帰るなり言ってきた。

「最近、急にたくさんの仕事を振られるもんだから、〆切り日とタスクの重さを天秤にかけて、何からやるべきなのか優先順位をつけてみたのね。で、あとはやるだけなんだけど、結局、優先順位が低い仕事ばっかり先にやっちゃってて。なんというか、やっちゃえばいいのは分かってるんだけど、やりはじめちゃうと終わりの遠さに気づくじゃない。それがなんだか辛くて、はじめることから逃げちゃうのよね」

分かるよ、と僕は言う。自分自身、今すぐにでも寝ようとしているけど、実はやらなければいけない原稿があるし、そろそろ〆切りも近づいていることも薄々わかっている。だけど、めんどくさい。

「めんどくさい」って言うだけは楽だから、つい気軽に言ってしまうよね。と、風呂場にある洗い物カゴに今日着た服を入れている彼女に向かって言う。

めんどくささから、逃げずに立ち向かう方法ってあるのだろうか。

とりあえず言葉に出してみたあと、何の気なしにTwitterを眺めていたら、こんなツイートが目に留まった。

人生の最大の敵は「面倒くさい」だ、と小池一夫さんは言う。わかる。わかっている。そのめんどくささを対策するには、やり方があるのだそうだ。

それは、100%放置するのではなく、ほんの一部でもいいからめんどくさいことに手を付けること。そして、その小さなめんどくさいを片付けていくことを「習慣」にする。それが、克服の道のりへの大きな前進なのだ、と。

さっそく彼女に言ってみた。めんどくさいことに少しだけ手をつけてみたらどう?僕もちょっとだけ原稿を進めてみるようにするからさ、と。

そうねえ、あなたがやるんだったら私も30分だけやってみようかしら。ねえ隣に座って。あ、その前にメイク落としてきてもいい?と、彼女は着替えをしながら早口で話す。

そういうところがいいなぁと思う。普通はそこの段階ですらめんどくさいと言う人もいるかもしれない。でも、言われたことは素直に聞いてやってみる。なかなかできないんだよな。そんなところが、彼女のいいところだと思う。

めんどくささを乗り越えるためには、ひとりでは難しい。そんなとき、違う仕事をしていても一緒に隣にいてくれる“共犯者”みたいな人がいるだけで結構変わるんじゃないかと思った。

さあ何からはじめようか。彼女が着替えをしている間に、書かなきゃと思っていた記事に必要な資料を引っ張り出してきて、机の上に置いて書きはじめる準備を整えてみた。

(Photo by Norbert von Niman on Unsplash)

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