イタリアデザイン留学に興味ある方へ
先の記事(ミラノ工科大学デザインスクール)でPoli-designのご紹介をさせていただきました。
そこでは、教育機関としての顔もさることながら、どちらかといえば、企業との協同研究やプロジェクトを積極的に進めている側面をお伝えしました。
今回は、イタリアでデザイン留学を検討されている方向けに、少しだけ自分の経験から何か役に立ちそうなことをお伝えさせていただきたいと思い、筆を取りました。
興味ある方は、ご一読ください。
デザイン留学に興味あり。どこに行く?
留学に一度は興味を持たれ、かつ、デザインに興味を持たれた方は、その行き先について思いを巡らせたことと思います。
かくいう私自身も、今は博士課程におりますが、5年前には修士課程で同大学の戦略的デザイン修士コースに2年ほど来ておりました。
そして、そこでたくさんの人に出会い、新しいことを学び、イタリアの美味しい料理を食べ、ワインを飲み、(このあたりはデザイン関係ありませんがw)、イタリアのいろいろな側面に魅せられました。
帰国した後、東京のデザイン会社に就職するのですが、やはりイタリアでの経験が忘れられず、またも博士課程に舞い戻ってきた、というのが、筆者のここ最近の人生経験になります。
そう、それくらいイタリアに僕は魅せられた感があります(笑)。
ということで、バリバリにバイアスがかかった話になりますが、イタリア、特にミラノはデザインの留学先としてはおすすめです。なぜでしょうか?
1 ミラノはデザインの首都(の一つと言ってもいい)
第一に、街の魅力があります。デザインというと、何を思い浮かべるますか?人それぞれでしょうが、わざわざ海外にまで行って、学ぶのですから、その街で生活すること、文化を感じること、人と交わること、それらを総合的に考えたほうが僕はいいと思っています。
ミラノは、家具から始まり世界的デザインイベントに変貌したミラノサローネがあり、ミラノファッション・ウィークがあり、そして美味しいイタリア料理があります。
これを、イタリアでは、イタリアの4Fといったりします。なんでしょう?
Faniture:家具(ミラノサローネに代表)
Fashion:ファッション(ミラノファッション・ウィークに代表)
Food:イタリア料理は世界的にもうますぎる料理の一つとしてあまりにも有名
そして、4つ目は、(さっき3つしか言ってませんでしたが、4つ目があります)、、、
Ferarri!、、、、です。
車好きや車業界に携わっている方なら一度は考えたことはあるかと思いますが、イタリア車のデザインは、もう別ですね。はい。その代表格がFerrariというわけです。日本の六本木なんかを歩いていても、その目を引くデザインに誰もが一度は目を奪われたことがあるのではないでしょうか。
ということで、よく見てみるとこのイタリアの4F、とても生活に密着した産業の領域なのにお気づきでしょうか?日本語では、衣食住なんて言いますが、実はFerrari以外のすべてのイタリアが世界に誇るFというのは、人間の根源的な生活文化そのものであり、その全てにおいて、イタリア人は、デザインにとてもこだわって文化を育んできた。それが、彼らの自己認識でありますし、世界からも認められる[デザイン文化遺産]となっているのですね。
そのイタリアの中でもミラノは、ローマに次ぐ第二の都市なのですが、経済的にはむしろイタリア一位の都市です。ちょうど、大阪と東京を足して二で割った(意味不明)のような街、と考えると良いかもしれません。
(余談ですが、このデザイン文化、という側面は、非常に重要だと思っていて、単なるビジネス上のデザインという考え方やいわゆる最近のUX,DX等のデザインという考え方とも異なるものとして筆者は捉えており、今後の日本の経済や産業を考える上でもとても重要な切り口の一つと思っています。詳細はどこかで書きたいと思いますが、気が向いたら。。)
2 アメリカ?いや、欧州でしょ。
そういうふうに考える人は、世の中には一定数いるかと思います。私自身も、ちょっとそんな感覚がありました。
そもそも、『欧米』とひとくくりにされることも意味がわからん、とそう感じてしまうあなたは、どちらかというと欧州向きかもしれません。
日本の言説では、何かと『欧米』とくくる場面を見かけますが、注意してよく読んでみると、これ米国の話やんけ、ということもよくあったりします。
それくらい、政治的にも経済的にも、日本は正直言って、アメリカ寄りな政策や行動を取り続けてきているかという気がします。
アメリカンドリーム。これはあると思いますし、人生で生きている中で、見られるものなら一度は見てみたい。そう思ったりもするでしょう。
しかし、ゴールドラッシュが終わり、シリコンバレーでテックにしのぎを削っている世の中です。
もう少し違う人生や考え方があってもいいのではないか?
そう思った方は、実は欧州向きかもしれません。
アメリカでは確かに、デザイン思考も強力なマーケティングキャンペーンとともに生まれた(と少なくともイタリアのデザイン界隈の雑談ベースでは言われている)し、シリコンバレーもあるし、GAFAが生まれて、デザインを学ぶ上での中心地、といわれるかもしれません。(実際そうです!)
ですが、デザインをあなたがどのように捉えるか、その側面によって、あなたが学びたいデザインのあり方は変わると思うのです。
私の場合は、イノベーティブな発想や作法とてのデザインということもさることながら、より生活文化に根ざしたデザインというものの本質に触れ、感じ、考え続けてみたい、そう思ったことが欧州、とりわけ、イタリアを選んだきっけかでもありました。
そして実際に、この直感は、やはり間違っていなったな、そう思っています。
そして、ここで選択肢を提示しておきたいと思います。欧州かアメリカか、この二項対立そのものも、かなり偏った見方です。
留学という意味では、アジアに行っても中国に行ってもアフリカや南米でもいいと思います。
要するに、あなたが直感に突き動かされる国であり、場所であり、はどこなのか、というのが重要な判断基準じゃないかと思うのです。
アメリカンドリーム一辺倒、というのは、あまり芸がないかな、と思ったりする方は、ご自身の胸に手を当てて一度考えてみてはいかがでしょうか。(断っておきますが、アメリカは、やはりすごい国です。これは、イタリアに来たあとでも、やはり強く感じます。あえてイタリアオシのお話を少し強調して書いていますので、そこはご理解ください)
また、欧州の中でも優れたデザインスクールというのは他にもたくさんあります。例を上げるだけでも以下の通りです。
・ロイヤル・カレッジ・オブアート(イギリス)
・ロンドン芸術大学(ロンドン)
・アールト大学(フィンランド)
・デルフト工科大学(オランダ)
また、デザイン留学の目的にも当然よりますが、世界的な大学の評価基準としてよく取り上げられるQS University Rankingなども参考にされるとよい、かもしれません。(あまりこういう指標で選ぶというよりは、学ぶ内容ややりたいことで選んだほうがいいと思います)
QS University Ranking Art and Design 2021
3 デザイン学んで、どうしたいのか?
そして、重要なのは、この問いでしょうか。
留学期間も、当然、あなたにとって、人生のかけがえのない時期です。
私自身も、10代の頃から留学に憧れ続けていました。
いつか海外に行ってみたい。
単に旅行ではなくて、そこに住み、外国の人と交流し、仲良くなり、いろいろなことを感じてみたい。
そんな若く純粋で、キラキラした思いがありました。それはとても大切なことですし、私もそうでした。
しかし、おとなになってからの留学というのは、実はそれだけではあまり良くないかもしれません。
というのは、その先の就職や仕事について考えなければならないからです。
デザインを学んで、あなたは何をしたいですか?
これがある程度見えていないと、単に留学をするだけでは、ちょっとその先どうなるか分かりません。
自分なりの人生設計の見通しを立てた上で、そもそも留学をするのかどうなのか、する場合には、何を学びたいのか、どこで?
そして、その先にどうしたいのか?
このあたりをある程度考えておくことは、留学を決める上でとても重要だと思います。
それで、イタリアでデザイン学びたいと思ったら?
ここまで読んで頂いて、それでもイタリアでデザイン学びたいわ、そう思った方は、ご連絡ください。
私個人の経験で良ければ、修士のときのお話や、今博士で学んでいるお話から、ある程度、ためになる話はできるかもしれません。
留学って、人生一大イベントの一つかと思います。
甘いことは言いませんし、感じたことをちゃんとお伝えします。せっかくの人生ですので、無駄はことはしてほしくないし、それでもイタリアでデザイン学んでみたい、そう思う方がいれば、ご連絡ください。スカイプで話をすることができます。
お待ちしてます!
PS 本気で留学を考えている方は、真摯にお答えしたいと思います。日本から外に一歩踏み出す勇気ある方の応援は、できる限りさせていただきたいと思っています。
twitter からDMがありがたいです。 : @ys_h
Ciao grazie!
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