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Vision Proと写真と未来と?

50万円のゴーグル

2024年2月2日、アップルの製品“Vision Pro”が発売された。同社では“空間コンピュータ”と説明しているが、平たくイメージするとVR/ARゴーグルと言った感じだろうか。VRは“仮想現実”、ARは“拡張現実”、そしてMRは“複合現実”を意味する。昨年6月のWWDCというイベントで発表され、日本から向かった記者やインフルエンサーなどが参加して実機を体感していた。私ことアラサー会社員はどっぷりとアップルのエコシステムに染まっているため、いつか手を出してしまいそうな品である。

考えてみると、1番最初に“AirPods”というBluetoothイヤホンが発売された際は「耳からうどんが出てるみたい」と今は無きツイッターで揶揄されていた。そこから数年が経ち、ゼロではないにしても今更そんなことを面白がってツイート(死語)する人はいないだろう。いずれ、このVision Proもそうなっていくのではないかとうっすら思っている。ただ、現在のところはアメリカでの販売のみで価格は3499ドルだそう。執筆時点のレートで約52万円だ。日本での販売価格はどの程度になるのだろうか。


Live Photosの活用

1つ興味があるのは、Vision Proでの写真の再生だ。ゴーグルをした目には、画面が広がって見えている(はず)。その状態で写真アプリを立ち上げると、これまで撮影・保存してきた画像が出てくるだろう。物理画面(液晶ディスプレイ)と違っておそらく拡大も容易だろうし、もはや写真に入り込むような体験が出来るのではないか。iPhoneユーザーにしか伝わらないが、純正カメラでは“Live Photos”という特殊な写真が撮れる。それは《写真を撮った瞬間の前後の映像を音声と共に保存する》というもの。

個人的には常にオフにしている機能だが、Vision Proでとても重宝するのではないかと思っている(再生できるならば)。動画ではなく、ただの写真でもない。その時の短い音声と動画が目の前で再生される。ゆくゆくはそこに触覚や嗅覚が追加されるかもしれない。多分、その頃に私は生きていないと思うけれど。アップルがどれぐらい先を見越して開発しているかは分からないが、現状のLive Photosは大概の方が私と同じくオフにしているだろう。むしろこれから“当然”になっていく機能かもしれない。


その未来

現在は2024年2月だ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の“未来”は過ぎ去り、あの“笑い男事件”も終わった。それでもホバーボードはおもちゃ屋に売られていないし、義体化も始まっていない。けれども、見渡すとそれらしい未来が始まっている気もする。以前より“Meta Quest”などが発売されていたが、Vision Proはまた違う可能性を秘めているのではないか。同時に、写真はどうなっていくのだろう。未来が近くなるごとに、フィルムや写真を紙に出力するという行為は贅沢になってきた。

AIによる画像生成は、すでに日常になりつつある。編集ソフトにおけるAIノイズ除去ももはや新しくはない。「AIなんてまだまだ」という話もあるが、彼らは休むことなく学習をしている。その先に、今の写真はよりパーソナルな“記録”になるのかもしれない。SNSにアップしても、自分の写真なのか誰かが無意識に生成した画像なのか見分けがつかなくなるかもしれない。私はどちらかというとディストピアなSFを見てしまうので悲観的かもしれないが、どこかで自分と写真の在り方を考える点が来そうだ。


これまで

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