見出し画像

総論02 個人差

前述のような機序でベンゾジアゼピンの離脱症状が起きるのであれば、一定期間、一定量の睡眠薬なり抗不安薬なりを服用した後に中止した患者さんの全員に、離脱症状が起きそうなものです。 

しかし実際にはそうではありません。 

デパスを含むベンゾジアゼピンの減薬・断薬を実行に移す際に留意しなければならないのは、離脱症状の出やすさには大きな個人差があるということです。 

例えば、ある患者さんが長期に渡って服用していた睡眠薬を減らしたが、その後、特にその患者さんから不都合の訴えは聞かれず、そのまま断薬できたという経験をお持ちの先生も少なくないのではないでしょうか。患者さんの側にしても、自己判断で抗不安薬を中止しても良くも悪くも何も変わらなかったので止めてしまった、という方もいるでしょう。 

ここから先は

2,237字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?