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円周率 3.14ってなに?それは直径1の正円の円周の長さです。


円周率 3.14 って何?

円周率,$${ \pi }$$ の値は 3.14 です。3.14 という数字は,円周$${l}$$ を直径$${d}$$ で割った値です。

中学生以上の読者であれば,次のように変数で表現したほうがわかりやすいでしょう。

$$
\pi = \frac{l}{d} \\
l = \pi \times d
$$

Figure 1 をみてください。直径1の円があります。円周 $${l}$$ は $${\pi \times 1 = \pi}$$ から $${3.14 \cdots }$$ なので,この円が一周すると,3.14 右に移動しているはずです。

二つの赤い点があります。二点の距離は 3.14 にしています。本当に円周が3.14 であれば,左側の赤い点から転がり始めた円は,一周して右側の赤い点でとまるはずです。Figure 1 を見ると,円は予想通りの動きをしています。円周が 3.14 であること,イメージはできましたか。

Figure 1. 一回転する正円

サイクロイド

Figure 2. サイクロイド

正円が回転しはじめるとき,赤い点と接している点を A とおきます。正円が一周するあいだ,この A の軌跡をサイクロイドといいます。おもしろいことに,このサイクロイドの長さは半径の8倍であることが知られています。

$$
サイクロイドの長さ = 8 \times 半径
$$

この場合ですと正円の半径は 0.5 ですから,$${0.5 \times 8}$$ で4 です。美しいですね。

アルキメデスの車輪

Figure 3 をみてください。中心が同じのふたつの円があります。大きな円の直径は1,小さな円の直径は $${ \frac{1}{2} }$$ です。どちらも二つの赤い点の間を同じ距離だけ転がっていますね。

Figure 3. あれ小さい円も大きい円と同じ距離を移動している?

あれ?

大きな円の直径は1です。ですから円周は $${1 \times 3.14 = 3.14}$$ です。一方,小さな円の直径は $${ \frac{1}{2} }$$ です。ですから円周は $${ \frac{1}{2}  \times 3.14 = 1. 57}$$ です。ふたつの円がそれぞれ一回転する場合,小さい円は大きい円の半分の距離しか移動しないはずです。

けれどもふたつとも同じ距離だけ移動していますね。これをアルキメデスの車輪といい,パラドクスのひとつです。このパラドクスがなぜ生じるのかは,別のところで説明しましょう。

Figure 4. アルキメデスの車輪

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次の本はとてもおすすめの本です。アルキメデスの車輪の説明も載っていますよ。


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