NYに引っ越した話#2

上京と同時にその時付き合っていた年上の彼氏と同棲していた私は、当然結婚も意識し始めていたが、まだ若く尖っていたのか結婚に興味がなく、彼との生活にも変化を求めていた。

まず彼に1年ほどNYに留学したい相談すると、彼は一瞬の間をあけて「うん、いっておいで」と即答してくれた。今考えても本当に心の広い優しい人だったと思う。今でも時々彼は私の突然の留学宣言をどう思っていたのかと想像することがある。

そこで決心を固めてからの行動は本当に早かった。会社に辞表を出し、留学について調べ始めた。ちなみに人材不足のため、その後3ヶ月は会社に残ることに同意した。

すぐに留学などを斡旋しているエージェンシーで留学先を探そうと思い、アポをとった。当時の同僚2人も留学に興味があるとのことだったので、一緒にエージェントのオフィスを訪ねた。

最初は学生ビザを考えていたが、J-1ビザの存在を知り、そちらの可能性も考えていた。

J-1ビザとはトレイニービザで、インターンシップという形で少額のお給料をもらい働くことができるビザだ。エージェンシーに相談し、最長で1年半のビザということで期間も丁度私の希望通りだったのと、日本に帰ってきた際の再就職に有利だと思い、J-1ビザに挑戦することにした。

ちなみに同僚の一人はそのエージェントで対応してくださったハキハキとしたお姉さんの圧に恐怖を感じたらしく、留学をあきらめていた笑 どちらかというと彼女の方が乗り気で、引っ張られてきたもう一人の方が引っ込みのつかなくなり、結局私と同時期に留学することになった。3か月NYで寝食を共にし、喧嘩もしたが、今でも仲のいい友達だ。

渡米を決め、最後の東京生活を楽しもうと同僚たちと夜遊びに明け暮れていた。そんな生活をしていると、当然だが彼氏とすれ違い始め、彼の不満を感じるようになったが、私はそれを見て見ぬふりしていた。本当に思いやりのない自分勝手な行動ばかりしていたと思う。その時はその彼に恋愛感情より家族愛を感じていて、この関係性をどうするか悩んでいた。

ある日いつものごとく夜遊びをして朝帰りをした私に、彼氏が不機嫌な態度をぶつけてきた。その時彼に”朝帰りとは、一緒に暮らしている相手に謝るべき行為”と言われて衝撃を受けた。正直私は彼がいくら朝帰りしたとしても一度も嫌に思ったことがなかったし、束縛されることが一番嫌いだと常日頃から言っていたつもりだったので、その気持ちが全く理解できず、その時一気に心が冷めてしまい、この先一緒に人生を共にすることは難しいと感じた。

その数週間後、彼に別れたいと告げた




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