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3Dプリント品販売とPL保険のススメ

誰に向けた記事か

  • 副業として3Dプリント品を販売している人

  • 3Dプリントじゃないけど小規模でモノの製造/販売をしている人

  • 個人事業主向けのPL保険って気になるけどなんもわからんという人

3Dプリント品販売とPL保険

ここ数年で高性能な3Dプリンタの価格がグッと下がり、Webでは様々な3Dプリント品が販売されるようになりました。
さっと思いつくだけでも

  • 文房具などの日用品

  • 既製品(家電製品や自動車)をカスタムするためのパーツ

  • 植木鉢

  • クッキー型

などなど。
私のショップもある程度の規模になって来たので、そろそろPL保険ぐらい入っておかないとマズいよなぁ、と思ってついに契約しました。
保険料は年間で約5000円だったので、まぁ必要経費としては余裕で払える金額かなと。

そもそもPL法とは

説明も無しに「PL保険」という単語を出していますが、
ここを紐解くにはまず「製造物責任法(以下PL法)」という法律について触れなければなりません。

PL法は、製品によって引き起こされた損害に関して、製品の製造者や販売者が負うべき法的責任を定めた法律で、消費者が製品による損害を受けた場合に、製造者や販売者がその責任を負うことを規定しています。

「製品によって引き起こされた損害」というのは、製品に何らかの欠陥があり、それが消費者に怪我をさせたり、他の財産に損害を与えたりする事を言います。

どんな事例が考えらえるか、前述の商品で例えると

  1. 文房具などの日用品

    • 欠陥による怪我:鋭利なエッジや強度不足により、使用中に破損し、利用者が怪我を負う。

    • 製品の破損による損害:筆記具などが突然壊れてインク漏れを起こし、衣服や家具を汚す。

  2. 既製品(家電製品や自動車)をカスタムするためのパーツ

    • 機械の故障:耐久性に問題があるパーツが原因で、家電製品や自動車の機能不全や故障を引き起こす。

    • 安全性の問題:自動車のカスタムパーツが不適切であるため、運転中の安全性が損なわれ、事故の原因になる。

  3. 植木鉢

    • 落下による損害:吊り下げ式やバルコニー用の植木鉢が強度不足で落下し、下にいる人に怪我をさせたり、物を壊したりする。

    • 水漏れによる損害:水密性に問題があり、使用中に水漏れが起きて床や家具に水損害を与える。

  4. クッキー型

    • 食品安全性の問題:使用される材料が食品安全基準を満たしていないため、クッキーに有害な化学物質が移行する。

    • 破損による異物混入:使用中に型が破損し、プラスチック片が食品内に混入するリスク。

挙げるとキリがないですが、このように様々なリスクが考えられます。

また、「製造者」とは業として物を作って売った人は全て対象となるので、3Dプリント品やハンドクラフト品を何らかの方法で売ってる人も当然含まれます。

つまり、規模や物を問わず、製造者は製品によって引き起こされた損害を賠償しなければならないと明確に法律で決まっている、ということです。

で、そのリスクをカバーしてくれる保険がPL保険というわけです。

PL保険のメリット

では、PL保険に加入することで、具体的にどんなメリットがあるのか?
最も大きいのは、PL保険が前述した賠償責任から守ってくれる事です。
もし製品が原因で消費者に怪我をさせたり、他の財産に損害を与えたりした場合、賠償金や法的な費用が非常に高額になる可能性があります。
PL保険がこれをカバーすることで、金銭的なリスクを大幅に軽減出来ます。

さらに、PL保険に加入していることは、消費者に対してのアピールにもなります。PL保険に加入している事でライバルと差を付ける事が出来るかもしれません。
まぁ、「PL保険加入済み!」って言われて「オッ!」ってなる人がどれぐらいいるかは…うーん。

ちなみに、めっちゃタイムリーな例を挙げると
デザフェスのマフィン食中毒事件。

こうなると商品の回収費用や、入院した方の治療費の支払いなど、対応に様々なお金がかかってしまいます。
こんな時にPL保険が活きて来るというわけですね。
デザフェスのフードエリアにはPL保険に入っていないと出店出来ないようになっているので、この件に関わる賠償費用は保険会社から支払われるはずです。

どうしてこうなってしまったかは分かりませんが、少なくともお店の人に悪気はなかったはず。
ただ、それでも製造者としての責任を取る必要があるわけです。

プロとしての知識と自覚が足りなかった、と言うとそうなのかもしれません。
これが副業となると、そもそもプロですらないわけで…。
起こり得るトラブルと対処方法についてどれぐらい考えているかは、一定の水準というのは特になく、本人次第ということになります。
で、あれば、副業だからと言わずせめてPL保険に入っておくのが出来得る対策なのではないかと思ったりします。

PL保険の選び方

ここに関してはつらつらと書こうか悩んだのですが、
そもそもワシ専門家じゃないし、適当な事書けんなぁ、と思って省略します!(えっ?)
記事の最後の有料ゾーンに実際契約した会社や契約内容について書くので、実例として参考にして頂ければ。

結局それぞれの状況に合った保険会社というのがあると思うので、自分自身で調べて色々比較するのが良いと思います。(丸投げ)

いくつかアドバイスするとすれば、各社見積もりを自分で取りに行くのはめちゃくちゃ手間なので、まずは近所の保険代理店に行くのがおススメです。
医療保険や生命保険でお世話になってた代理店がPL保険も扱ってたので、そこで各社の見積もりして貰って、契約までお願いしました。

ただ、代理店も保険会社から得る手数料で商売をしてるので、「手数料が多い商品を薦めがち」というのはあるそう。
余裕があれば複数の代理店に相談するのが良いみたいです。

あ、あと私は選ばなかったルートですが地元の商工会や商工会議所に相談すれば団体でPL保険に加入できる場合もあるみたいです。
商工会に入るメリットあんまり無さそうだったので私は入ってません…。
(商工会は起業家や経営者に対して経営に関するアドバイスや融資相談等を提供したり、他の会員との人脈づくりをサポートしてくれる組織です)

また、PL保険の商品によって最低支払額というのが決まってるそうで、事業規模に合ってる商品を選ばないと無駄に高い保険料を払う羽目になります。
私の場合、最初に見積りしたところは年間1万円だったのが、代理店に相談して見直した結果5000円になりました。
オプションとして、休業補償や、借りた物/預かった物の補償などもあるのですが、副業で自宅の3Dプリンタで出力した物を売る分にはそういったオプションは不要かと思います。

実際に契約した内容(保険証券のコピー)

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