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2020年最初に読んで欲しい「アスリートの情報発信について思うこと」

 Twitterを始めて10年になりました。当時はまだアスリート的には珍しく、「◯◯なうって言ってんのー?」とチームメイトに茶化された記憶があります。つぶやくことに対しての恥ずかしさというか、照れ臭さみたいなものは始めたての人はみんな持っていたように思います。(今ではそんな感覚すら伝わらないかもしれません。)

 昨今、SNSをはじめとする情報チャネルは多岐にわたり、情報収集側も情報過多で取捨選択が求められ、気付かないうちにAIに「この記事どうですか」とレコメンドされる状況です。15年くらい前のように、希少な情報源であるバスケ関係のホームページやブログをブックマークやRSSで網羅的に入手していた時代が懐かしいものです。そう、その頃は自分の趣味の範囲くらいはネット上で「ほぼ網羅」が出来たのです。(今ではその意味が伝わらないかもしれません。)

 さて、一方で、情報発信側も単に発信するだけではなく「どのチャネルをチョイスするか」という嗅覚みたいなものが重要になったと感じています。同じアスリートからも相談されることがありまして、情報発信方法に限らなず結構あるのが「今、何をすべきですかね?」というざっくりしたものです。何らかの勉強、自己投資、SNS発信…「やりたいなとか、やったほうがいいんだろうなと思うことは多いけれど何から手をつけて良いのか分からない」のだそうです。

 それに対する僕の回答は、あなたの将来ビジョンありきだとは伝えますが、大概のアスリートはそれが定まっていないので、そういう場合にはとりあえず自分の情報発信チャネルはいくつか持ったほうが良いのではと勧めます。とりわけTwitterは特にこの日本においてはしばらく衰えるイメージが無いですし情報収集ツールとしても有益なのでやらない理由は無いと思いますし、僕としてはTwitter本当にありがとう、といった感じです。あとはえとみほさんの全てのアスリートはインスタグラムをやるべきだと思う理由にもあるように、ファンと接点を持つSNSで一番優しい世界なのがInstagramですね。同じくお勧めしたいと思います。

 いやいや、Twitterとインスタなんて当たり前に既にやってるよってアスリートが(これを読んでいる時点で)大半かと思います。ただ、僕は「当たり前になっている」というのが一つポイントなのかなと思います。冒頭でお伝えした通り、10年前はTwitterが当たり前ではありませんでした。「選手と直接コミュニケーションが取れるなんて!」という特別な価値があり、新たな価値提供が当時は出来ていたのです。

 そこで、「Twitterやインスタをやること」の抽象度をあげて「アスリートの価値をファンに提供すること」に読み換えると、同じ情報発信ツールであってもその質に対しての意識が変わると思います。アスリートは日常の写真投稿だけで喜んでくださる存在がいてそれはすごく幸せなことなのですが、その有利な肩書きと立ち位置に胡座をかくと「ファンからの無償の愛によるいいね」で勘違いしてしまい、誰かに役立つコンテンツを発信するという観点は見逃しがちになります。(ファンの皆さん、たわいもない犬や息子の写真を褒めて頂きありがとうございます!)テンプレ化してしまっている事務的なツイートのスタイルは、自分の意思でいつでもいくらでも自由に変更可能なのです。

 一方で、新たな価値提供の例で言うと2020年は間違いなくYouTubeがステージをあげる年になりそうです。芸能人で言うとカジサックことキンコン梶原さんの成功に続けと言わんばかりにこぞって参入しており、ただでさえ芸能人は初動が良い上に喋りは元々プロで、編集や構成もお金をかけてしっかり作ってくるので全体的なクオリティが格段にあがってきました。YouTube戦国時代に突入したなという感じです。

 アスリートもYouTubeチャンネルの開設が増えると予測していますが、リソース的な制限もあり個人の力だけで伸ばすのは結構センスと根気がいります。全体的にも1年前ならまだ緩やかな競争でしたが、ジャンルの取り合いも割と埋め尽くされて一気に流れが変わったように感じます。ただ、最終的には「ここに張るぞ!」と決めて愚直に遂行した人が強いと思います。アスリート枠はまだ少し残されているのかなぁとは思います。

 少し要約します。2020年、これからのアスリートが持っていると重宝するスキルは端的に言うと時代のトレンドを読む力と一歩先に踏み出す力です。もう一つは「当たり前」なことに一区切りつけてピボットする修正力です。SNSにおいてもトレンドを意識して人より早くチャレンジすることは他アスリートとの差別化や先行者利益にも繋がり、踏み出した経験は(たとえ不発でも)汎用性あるマインドスキルとしてアスリート以後のキャリアでも役立ちます。また、惰性でだらだら続けているルーティンなんかも時には見直して方向修正する勇気も必要です。

 ということで、もう30半ばのいい歳のおじさんアスリートとしては、きちんと目的を持って誰かのお役に立てるような情報発信を心掛けないといけないなぁという自戒の念も込めて年初に書きました。

 個人的にはアウトプットの場として、「note:文章、YouTube:動画、Voicy:音声」の3つにつきまして、(2019年よりは)頑張っていこうと思います。なお、SNSをやるべきか否かという議論につきましては今回はやろうとしているまたは既にやっている前提の話ですのでそもそも省いております。ではでは。

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