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許せるオトコ

小さな頃、アニメかなにかのキャラクターが「オレをことはいいけれど、オレの大切な人たちを傷つけるのは許さない!」という様な事を言っていた。当時の僕はなんとなく、かっこいいなぁと思っていた。前半部分のセリフに、他人のことを許せる寛大さを感じたからだ。最終的に許さないと言っているのも、自分のためではなくて、他人のため。そんなところが抜群にかっこよかった。

このなんとなく描いた僕の理想像へは未だ、道半ばである。 許せるオトコになりたい。

僕には1つだけ、どうしても許せないことがある。ノーリアクションだけはどうしても許せない。何を思っているのか、物事をどのように進めたいのか、それが分からないとその人に近づけない。自分がしていることがその人にとって良いのか悪いのか分からないと、本当に不安になる。

聞くところによると、ノーリアクションの理由は「適切な言葉が出ないから」らしい。思っていることを言葉に昇華して、口から世の中に出した瞬間、なんだか違ったものに変わってしまう気がするらしい。
それはとても哀しいことだ。自分の思うことを正しく伝えられないなんて、孤独と同じだ。これを聞いて僕は、辛抱強く待つことが出来る気がした。待たなければいけない気もした。そうする事が最善の策である気がしたから。同時に、少しだけ他人を許せるようになった気がしたのは、甚だ傲慢なのかもしれない。

僕の理想像へは未だ、道半ばである。

#エッセイ #ひとりごと