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17冊目_4次元的に世界を捉えるとは。

世界の辺境ソマリランドと室町期日本、時空を超えて酷似しとると。どちらも現代日本人にとっては異文化世界であり、タフでカオスに満ちた世界。

 とくに面白かったのは時間概念の話。未来が後ろにあった頃、中世までの日本人の時間概念は、未来にバックする感覚、まさにバックトゥザ・フューチャー。 先日や後回しなど、過去のことをサキ、未来のことをアトと言ったりする。古代や中世の人々にとって、未来はアトであり後ろ、背中側だった。 

未来は未だ来ず、だから見えないもの。過去は過ぎ去った景色として目の前に見えるもの。つまり、中世までの人たちは、背中から後ろ向きに未来に突っ込んでいく、後ろ向きのジェットコースターに乗って進んでいく感覚で生きていた。これは、世界各地の多くの民族がかつて共通して持っていた。 経験と技術の発展にともない、人々が未来は制御可能なものだという自信を得て、未来は前に広がっているという認識を持つようになっていった。

 今我々が生きている世界や価値観は、決して人類社会のスタンダードではない。過去の人々や、辺境の人々への共感を通じて、現代の自分を相対化することができる。  

面白い考え方で、斬新だった。これが、4次元的に世界を捉える。ということか。

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