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結局、「マネタイズ」って何なのさ|今日のマーケティング用語

「マネタイズ」という言葉がビジネスシーンのみならず一般的にも使われるようになってきたと感じています。特にSNSを中心に『マネタイズする』『マネタイズが大切』といった形で使われており、本来の意味を超えて一人歩きしているところにも遭遇することも珍しくありません。

抽象度が高く、様々な背景を持つ『マネタイズ』というビジネス用語(もといマーケティング用語)に対して「結局、マネタイズって何なのさ!」と思っている方、実は多いと思います。

本記事では、マネタイズという言葉に対して掘り下げていきます。

マネタイズとは「収益化を図ること」

マネタイズは英語の「monetize」を語源としており、直訳すると『貨幣の鋳造』を意味します。また、文脈によっては「monetization:資源や資産などを現金化」の意味で使われることもあります。

ビジネスシーンでは「事業(サービス)の収益化」を意味する言葉で、新規事業をマネタイズする(収益化する)といった文脈で使われます。

つまり、「マネタイズが大切」というのは『〇〇を収益化することが大切』といった意味合いで使われているということです。

マネタイズという言葉が多く使われるのはIT業界で、特にインターネットビズネスで使われることが多い言葉です。

日本で使われ始めた時代背景として、2000年代にインターネットビジネスで多くの起業家が生まれたことがあります。その後、2000年代後半に「無料サービスから収益化する」という文脈でマネタイズが使われました。

近年ではSNSの普及や副業解禁によって一般的にも使われることが多くなったワードです。マネタイズの検索数も右肩上がりで上昇傾向にあります。

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近年ではITサービスは無料提供を行うことが多いため、いかにしてマネタイズするかは最重要課題となります。その代表的なのがスマートフォンのアプリケーションやSNS型のプラットフォームです。

※TwitterもYouTubeも最初期はマネタイズできていないプラットフォームでしたが、広告モデルを採用したことで収益化に成功しました

ちなみにWeb業界では使われ方が少し異なり、「無料サービスを利用して収益化する」といった文脈で使われます。例えば「個人ブログのマネタイズ」「Instagramのマネタイズ」「noteのマネタイズ」のように無料サービスとして提供されているプラットフォームから利益を生むことを指します。

つまりマネタイズには「事業起点」「サービス起点」「個人起点」で言葉の文脈が変わるという特性があるということになります。

もちろん、ITに関わらず「独立」「起業」をし、新たなサービスを始める際はマネタイズする収益モデルが重要になるため、ビジネスシーンでは言葉にはしなくとも最も根本にある言葉といっても過言ではありません。

もう一つ押さえておきたい点として、「マネタイズは収益化するための方法」として広い意味を持つ言葉で、「収益モデル」や「ビジネスモデル」とは意味合いが異なります。

収益モデルは「顧客から利益を得るための仕組み」という文脈で語られます。そのため「収益化する方法」までは含まれません。

対してビジネスモデル「マネタイズ」及び「収益モデル」よりも上のレイヤーにある概念で、ビジネスが誰に対して何を価値として提供するのかといった一連のプロセスを論理的にまとめた仕組みを指します。つまり、マネタイズはビジネスモデルの一部分という位置づけということです。

この関係性を正しく理解しておくことで、マネタイズという言葉の本質を理解することができます。

■まとめ
・マネタイズは「事業の収益化」という意味のビジネス用語
・Web業界では「無料サービスから収益化する(収益を生じさせる)」という意味で使われることが多い
・ビジネスにおいて根本にかかわる重要な要素

4つのマネタイズ手法

ここでは文脈として多く使われる「インターネットビジネス」におけるマネタイズできる収益モデルを紹介します。

これらのモデルはインターネットだけでなく、オフラインでも有効的なため、様々なシーンで応用が利きます。

ECモデル
ECモデルはいわゆる「インターネットショッピング」のことです。商品やサービスを販売する代わりに対価としてお金を得るモデルのためイメージはしやすいのではないでしょうか?

ECモデルは「価値に対して対価をもらう」というシンプルな仕組みなので、ビジネスに取り入れやすく、実際多くの事業はECモデルと同じ構造の収益モデルを採用しています。

広告モデル
広告モデルは「枠を提供する」ことで収益を得ます。ブログであれば広告を掲載する枠を設置し、その枠に配信された広告に対して、ユーザーが特定のアクションを起こすと、対価として利益が発生する仕組みです。

代表的な広告モデルは「アフィリエイト」で、マネタイズする時に最も手を出しやすい広告です。広告モデルと課金モデルを組み合わせたアプリケーションの運営をする企業も多いため、インターネットビジネスでは代表的なマネタイズ手法と言えます。

課金モデル
課金モデルはサービスを得るために課金を行う収益モデルで、最も代表的なのはスマホアプリのガチャや、オンラインゲームのアイテムです。ECモデルとの違いは「利用」に対して対価を払う点で、原則所有をしません。

また、サブスクリプションも課金モデルと構造は同じです。月額定額制で毎月同金額が課金され続ける仕組みのため、長く利用してもらえればもらえるほど、利益は大きくなります。

仲介モデル
仲介手数料を得ることで収益化するモデルが仲介モデルです。例えばフリマアプリを利用する時に発生するサービス手数料が当てはまります。

仲介モデルはプラットフォームを運営し、利用者を増やすことで収益を上げることができますが、欠点としてプラットフォームを保有する必要がある点です。

リリースしてからもサービス改善を常に行う必要がありますが、利用者が増えらば増えるほど収益も増加していきます。

■まとめ
・マネタイズする方法は大きく分けて4種類
・有名なのは広告モデルの「アフィリエイト」とスマホアプリでよく見られる課金モデル(ガチャなど)
・サブスクリプションは「継続型」の課金モデル
・仲介モデルを展開するにはプラットフォームの運営側に回る必要がある


マネタイズするためにはマーケティングへの理解が必要

革新的な技術や知識は企業や個人にとって大きなセールスポイントとなりますが、それだけだと実体がないので収益化はできません。つまり売れずに廃れてしまうことになります。

収益化するために、価値をどのようにして売るのかを考え、実行することでマネタイズをすることができます。そのためには「売れるための仕組み」を作るマーケティングが必要不可欠です。

そういった関係性もあり、マネタイズとマーケティングは同時に語られることが多いのです。マネタイズするためにはマーケティングが必要という関係性を理解しておきましょう。

この関係性の理解は個人の活動においても同じです。

マネタイズという言葉自体が近年では個人の活動の中で使われることが増えた言葉で、副業解禁といった様々な社会的要因、経済的要因を背景にインターネットビジネスで収益を得ようとするムーブメントが発生しています。

そうした背景の中、個人ブログを始めたり、各種SNSでコンテンツを配信したりと、マネタイズを目指して奮闘をしている方こそ、マーケティングを理解し、実践するべきなのです。

■まとめ
・マネタイズするにはマーケティングが必要不可欠
・マーケティングは売れるための仕組みづくり


マネタイズをしてみよう

ここまでで、マネタイズとは「無収益のサービスを収益を生めるサービスにすること」であり、事業を継続させるためには必要不可欠な取り組みであることを解説してきました。

言葉の意味を理解したら次は実際に「マネタイズ」をしてみるアクションを起こしてみましょう。

今自分が保有しているスキルを棚卸し、実際に利益を発生させるためには「どのようなアクション」を起こせばよいのか。もとい、どのようなマーケティングをするべきなのか思考し、行動に起こすことでマネタイズに一歩近づきます。

①自身の提供できる価値を発信する場を選定する
②独自性の高いコンテンツを発信し、集客する
③集客したユーザーから収益を生む仕組みを作る
④収益までの動線を作る
⑤訪問しているユーザーを把握する
⑥ターゲットに合わせて動線とコンテンツを組み合わせる
⑦提供する価値での成功体験を顧客に得てもらう
⑧顧客の課題を解決する
⑨継続的にコンテンツを配信し続ける
⑩動線内で利便性の悪い部分を改善する

何かサービスを提供する時、重要なのは「選ばれる仕組み」と「エンゲージメントの向上」を意識した発信をすることです。

特に市場にプレイヤーがあふれ競合が多い昨今においては、エンゲージメントは重要不可欠です。

※エンゲージメントとは「愛着」や「思い入れ」を意味し、顧客との深い関わり合いや関係性を指します。つまり『ファン』のことです。

マネタイズを本気で目指すのであれば、マーケティングは必要な要素のため、まずは概要だけでも勉強してみることをオススメします。

□参考書籍
書き2冊は本記事を書くときに、特に参考にさせていただいた書籍です。マネタイズの視点だけでなく、ビジネスモデルや収益について多くの気づきを得られる名著なのでご紹介いたします。

正直、マネタイズや収益モデル、ビジネスモデルに関しては面白い書籍やブログが沢山あるので色々紹介したいところですが、書店でもよく見返るであろう2冊に絞りました。

個人ブログで稼ぎたい(けどまだ何もしてない)と考えているのであれば、『Google AdSense マネタイズの教科書』は初学向けとして面白いので、書店による機会があったらパラパラとめくってみてください。


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【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
   Webライター、Webマーケティングスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
   ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い

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Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツール
のベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。

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