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はじめてのレッスンを受ける前に

4月になりましたね。
私は学校が休み期間のため、のんびり過ごしてます。
このところは、Richard Brennan “The Alexander Technique Manual”という本に取り組んでおり、今は『妊娠・出産とアレクサンダーテクニーク』という章を読んでいます。

そんな中、以前、

「はじめてのレッスンを受ける前に何かしておいた方がいいことはある?」

という質問を受けたことがあるのをふと思い出しました。

この質問、受けた当時の私は「特別しておいた方がいいことはないかな」と答えました。

しかし・・・

このような質問をしてくれる方は、レッスンを受けることに対してかなり前向きになってくれているはず。
それなのに「何もしなくていいよ」では、多少なりともその方の出鼻を挫くことになってしまうのでは無いか!? 
そういう懸念も持ってます。

なので、もう少し考えてみよう、というのがこの文章です。
アレクサンダーテクニークのレッスンを受ける前にしておいた方がよいことってあるのかな?という点について、今の私が考えていることを書いてみます。

「特別しておいた方がいいことはない」のか?


アレクサンダーテクニークのレッスンでは、レッスンを受ける方が持っているけれどまだ気がついていない、自分にとって良くない影響を与えている習慣を一緒に探す、ということをします。
習慣というのは、普段している(或いは、してしまっている)ことです。こう考えると、レッスンはあなたの日常を少し共有してもらう場とも言えます。

そのような理由から、他所行きに特別な準備をした状態ではなく、そのままレッスンに来ていただくので十分なのではないかと思うのです。
もちろん、何かをするな、などと言うつもりはありません。したいことはしてしまいましょう。

あまり構えずにレッスンを受けてみる。とりあえず足を運ぶ。
それでもうバッチリです。
そんな気持ちで当時は「特別しておいた方がいいことはない」と言った覚えがあります。

私自身は、初めてのレッスンには(楽器を持ってはいったものの)何も準備せず、何を期待したらよいのかもよくわからずに行きましたが、それでもレッスンを楽しむことができました。
教えてくれた方によるところが大きかったのだと思います。


What really matters?


先ほど書いた懸念も踏まえ、もう少し考えてみます。
ここで質問。

レッスンを受けようと思ったのはどうしてでしょうか?

レッスンを受けようと行動したのだから、みなさん何かしら「求めていること」があるのではないかと思います。

例えば、

肩こりや腰痛から解放されたい。
デスクワークがしんどい。
よく眠れるようになりたい。
もっと上手く演奏したい。
上手くいかないプレイがある。
怒りっぽい性格を変えたい。
リフレッシュしたい。
アレクサンダーテクニークってどんなものか興味がある。
なんとなく。

などなど。それぞれの方に、それぞれ動機があるでしょう。
どんな動機でも良いと思います。

レッスンをする、ということに関してはまだまだ経験の浅い私ですが、いつも始めに

"How can I help you?"

と尋ねるようにしています。「何か力になれることはありますか?」という気持ちです。
こんなこと言ってもな、と思ってしまうようなことでも話してもらえるとアレクサンダーテクニークのレッスンで手助けできることを見つける一助になります。

なので、レッスンを受ける前にしておいた方がよいことがあるとすれば、

レッスンに「求めていること」を話す心構えをしておいてもらう

ことかなと思います。
何かを「する」のではなく、ちょっと考えておく、くらいの準備です。
あまり深刻にならず、無理にひねり出さなくても良いです。
あくまでも、できるなら、でよいと思います。

* * * * *

「深刻」と書いて思い出したのですが、F. M. アレクサンダーの姪で、アレクサンダーから直接教えを受けたアレクサンダーテクニーク教師であるマージョリー・バーロウ Majory Barlowは、1995年に行ったアレクサンダー没後40年の記念講演の冒頭で

アレクサンダーテクニークは楽しむためのものだ。
The Alexander Technique is meant to be fun.

[1, p.283]

と言っています。そして、その直後に《なのに、生徒も、教師でさえも楽しんでいないように見える》と懸念を示し、《アレクサンダーテクニークは真剣になれるものではあるけれど、深刻に重々しく受け止めてはいけない》と話しています。
実際、とても楽しいですよ。

* * * * *

もう1つ。

これは時折に私が学んでいるクラスで話題になることなのですが、
「自分が今この瞬間に求めていることを言わずにおいてしまう」
というのは、私たちが持つ根強い習慣の1つなのではないでしょうか?

小さい子どもはもっとストレートです。でも、だんだん言わずに堪えることを覚えていってしまう。どちらが良いという話をしたいわけではなく、そうする中でつい言わないでいることが当たり前になっていないでしょうか。

もちろん、言えば全てが叶うわけではありません。
ですが、伝えると叶えるための何かを始めることができるかもしれません。こんなことを言っても仕方ないのではないか、あまりにバカバカしいことなのではないか、と思ってしまうようなことでも気にせず言って構わないのだ、と思えるというのは大切なことです。
自戒を込めて言いますが、これがレッスンという場を準備する側に必要なことなのではないかと思っています。

* * * * *

大分、余談が多くなってしまいました。

4月、新しいことを始めるにはよい季節ではないでしょうか?
アレクサンダーテクニークのレッスンを試してみるのはどうでしょう?
きっと、思いもよらない新鮮な発見に出会えます。

それでは、また!


参考文献

[1] Marjory Barlow: "An Examined Life", MORNUM TIME PRESS 2002
 


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