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ビジネス著作権検定について

・ビジネス著作権検定とは

ビジネス著作権検定はサーティファイ社が主催する民間の資格検定です。
著作権に関する基本的な問題が出題され、初級と上級の2つの試験がありますが、初級に合格していなくても上級から受験することもできます。

これ自体は民間資格なのですが、上級に合格すると国家資格である知的財産管理技能検定の2級の受験要件を満たすことが出来ますので、実質的に同試験の3級と同じ価値があると言えます。

・受験スケジュールとその後の予定

10年くらい前にビジネス著作権検定の初級を取得したのですが、今年の6月4日に上級試験を受けて、その後、知的財産管理技能検定の2級を受験する予定です。

初級の試験結果と合格証

有体に言うと、この資格自体の知名度はさほどではなく、就職で有利になることもあまり無いと思いますが、10年以上続いている検定試験ですし、今後ますます複雑になっていくであろう権利関係、その中でも著作権の基本的な概念を学ぶこと自体には非常に大きな意味があると言えます。

自分も音楽のクリエーターとしての活動をしてきましたが、自他ともに権利関係について熟知している人はほぼいないと言ってもよく、例え悪意が無かったとしても結果的に権利を侵害してしまったなどのトラブルは少なからずありました。
この問題は何らかの創作活動をしている人にとって必ずどこかで直面することだと思います。

今回の受験の目的は、著作権について改めて学びなおすと共に、来年の行政書士の活動の一環として権利関係における相談・助言や、著作権登録の申請業務に生かしていきたいというのがあります。

・著作権と著作物

ところで、「著作権」として保護される「著作物」とは何かを確認してみましょう。

著作権法第2条
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二 著作者 著作物を創作する者をいう。

引用: https://ja.wikibooks.org/wiki/著作権法第2条

具体的な事例はビジネス著作権検定の問題にも出題されますが、例えば「3歳の子供が描いたお母さんの似顔絵」は思想又は感情を創作的に表現したもので美術の範囲に属すると言えるので著作物として認められます
絵が上手か、商品的な価値があるかという要素はここでは全く関係がなく、著作者が未成年か成年かという区別もありません。

著作物として認められるものは何も申請をせずとも当然に本人に権利が帰属します。
その一方で文化庁に対して著作権登録制度というものがあり、著作権者の公示(公に知らしめること)のメリットがあります。

行政書士の勉強をされている方ならピンと来ると思いますが不動産の登記のように「対抗要件」を持つということですね。
ただし、あくまでも著作権は先述のように「作品が生み出された時点で既に発生している」ということになります。

・AIと著作権

巷を賑わせているAIですが、AIが生み出した絵、文章、プログラムなどは「思想・感情がない」ため、どれだけ高度なものであっても (今のところ) 著作物として認められません

ではそのAIが生み出した著作物を人間が流用(改良)して使ったらどうなるのか、など色々なケースがまだ法律として明確に規定されていないため、議論が必要になってきますが、まずベースとなる知識として現行の著作権法を勉強することに意味があると思います。


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