ねこたろう

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音楽家の中の人。ねこといます。http://www.tomiyama-yuko.com#音楽 #日記 #エッセイ #ねこ

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劇場で観た映画2022まとめ

年末年始には1年で観た映画をまとめているのですが、ちょっと忙しくしていて2022年の分が出来ていませんでした。本日は旧正月ということで、まだ間に合うかと思いまとめます。新年もよろしくお願いします! 自分の好きポイントをカッコ内に書きました。 もう一度観たい映画は、作品名に●印を付けました。 【劇場で観た映画2022】 明け方の若者たち(北村匠海) ユンヒへ(韓国の何気ない街並み) 決戦は日曜日(懐かしセンス) 99.9 刑事専門弁護士 世界で1番美しい少年(お

    • 2022/1/12 映画『世界で一番美しい少年』

      ヴィスコンティの映画『ベニスに死す』で、マーラーの交響曲第5番から「アダージェット」が物憂く流れる中、棒につかまりグルグル回っていた美青年。そのビョルンが歳をとり、長い白髪ヤギ髭の老人として怪映画『ミッドサマー』に出演していたと知り驚いた。これは近年のビョルンに密着したドキュメンタリー映画。 『ベニスに死す』以降に日本で活動した時期があり、池田理代子さんのベルばらではオスカルのモデルとなったらしい。本映画では2人が初めて対面する。1971年には日本語でレコード『永遠にふたり

      • 2022/02/01 映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

        映画『さがす』『ノイズ』と、事件性の高い題材を扱う作品を続けて観たので、ちょっと別系統のも観たくなった。 終始、フィルターがかかったような色味で、現実と虚構の区別が付きづらい。現実の描写と、シュールなオムニバスストーリーの境目が曖昧なのが、知的好奇心を刺激して"逆に"面白かった。(もしや意図した通りの正なのかな?してやったり、みたいな?) 単なるオシャレ映画では済まされない不穏さもある。 ちょっと不思議な世界を描くために、精神疾患や暴力を出す必要は本当にあるの?と最近は

        • 2022.8.14 映画『PLAN75』

           75歳以上の志願者が対象の安楽死政策を始めた、日本が舞台のフィクション映画。 炊き出しで人を集め、PLAN75に勧誘する。その日を迎えるまで毎日15分間は電話で若い人に話を聞いてもらえ、お小遣いの10万円までもらえちゃう。 78歳で独居のミチさんは長年勤めたホテルを突然解雇され、数少ない友人も亡くなってしまう。頼みの綱の生活保護受給もうまくいかず、ハローワークでパソコンを使うのもままならない。一人ぼっちで公園のベンチに座っているとPLAN75の炊き出しを勧められるのだが、偶

        劇場で観た映画2022まとめ

          映画『ウエストサイド・ストーリー』

          スピルバーグ監督作品は3時間弱! 耐えられるか心配だったけど、気づけばあっという間でした。 トニー役がハンサムすぎる! ハンサム オブ ハンサム! 基本的な流れは1961年版の映画と大差ないのかな?が、ドラマ部分を結構みっちりやるので長くなったのでしょうか。あとおそらく、ダンスシーンが随分と進化している気がして、もう一度観たい。 群舞すごかったわ。 1961年版の映画にアニータ役で出演していたリタ・モレノが、ドクの店で働く未亡人という新設定で出演していた。見せ場は多いしア

          映画『ウエストサイド・ストーリー』

          映画『名付けようのない踊り』

          田中泯さんのドキュメンタリー。昨年公開の映画『HOKUSAI』では、雨の中で藍色の絵の具を浴びて佇んでいた。唯一無二の存在感。 今回はこれまでのダンス公演映像や、様々な街の中で踊る『場踊り』がたくさん観られる。 畑仕事で作った身体で踊ろうと決めたのが40歳。その後も世界中の劇場や街で踊る、というか存在し続けて36年。水戸美術館で霧アーティストの中谷芙二子さんとコラボした作品の映像は美しかった…。海とのコラボも良かった…。というか存在するだけでそこに在る何かとのコラボが成立し

          映画『名付けようのない踊り』

          回転、大判、今川、お

          ここ最近の朝ドラは最初だけ観てなかなか続かなかったんだけど、今は深津絵里とオダギリジョーがメインキャストなので、つい観てしまいます。 濃い顔のつくりと妙に弱々しい表情がミスマッチ、と最初は思っていたオダギリジョーにも徐々に慣れ、かわいらしいカップルに朝からほっこりしています。最近は映画でもなかなか観られなかった深津絵里が毎日観られるのが嬉しい。 というわけで移り住んだ京都で昨日からいきなり回転焼きを初めた“るい”ですが、小麦粉の生地に餡を閉じ込めたこのお菓子には様々な呼び名

          回転、大判、今川、お

          【岡山メルパビル、33年の歴史に幕。今月末で映画館「岡山メルパ」が移転】

          https://news.ksb.co.jp/article/14507096 また一つ、思い出の映画館が無くなる。 昔ながらのビロードのソファ席が可愛らしい、こぢんまりとした居心地の良い映画館だった。 今はなかなか無い感じの古いビルも味わい深くてよかったんだよね。 派手な色のポップやチラシが貼り付けられて、ほんのりとトイレの芳香剤が香るところも、昭和。 初めて笠松将さんの出演作(ドンテンタウン)を観たのも、ここだった。竜とそばかすの姫も観た。いろいろ観た。 気楽だけどち

          【岡山メルパビル、33年の歴史に幕。今月末で映画館「岡山メルパ」が移転】

          映画『Coda あいのうた』

          号泣。 何もかもが素晴らしかった。 今もエンディングテーマ曲が脳内をリフレインして泣きそう。 聾唖家族の中で1人だけ健常者として生まれたルビーには、歌の才能があった。しかし漁業者の家族を支えるために歌の道を諦めようとして…。 コーダ = CODA(Children of Deaf Adults) ヤングケアラーの話ではあるが、暗さを感じさせずにユーモアもあり、なにより歌うシーンがどれも素晴らしい。合唱部の発表会に招かれた聾唖の家族がどう振る舞うか、そのシーンの音の描写。

          映画『Coda あいのうた』

          映画『クライ・マッチョ』

          オンボロ車で荒野を駆け抜け、国境を越えて友人の息子を送り届けるまでに、様々な人との出会いと別れを体験するロードムービー。『運び屋』を思い出した。 高齢のクリント・イーストウッドは独身で、力強くロデオを披露し(たぶんスタント)、心優しく料理が上手で、動物や人間に好かれ、いざとなったら悪漢に拳を振るい、4人の孫娘を育てる美しい未亡人とも両思いになる。一部のアメリカ男性が描く理想の老後って、こんな感じなんだろうか。 動物と荒野に囲まれ、ゆったりと時間が流れる。癒しタイム。 スペイ

          映画『クライ・マッチョ』

          【ラジオ体操】

          毎朝にラジオ体操をやっている。毎日同じ曲でさすがに飽きてきたので、ご当地版を流し始めた。津軽弁の発音はフランス語に似ているといわれるが、韓国語にも似ているんじゃないかと思った。そうなると三段論法でいけばフランス語と韓国語が似ていることになる。そうなるのか・・・?まだ寝ぼけた頭で、ぼんやり考えている。しばらく朝は津軽弁を聞き続けてみよう。 #ラジオ体操 #ご当地 #津軽弁 #フランス語 #韓国語

          【ラジオ体操】

          映画『ハウス・オブ・グッチ』

          強力な家族経営の栄華と衰退。 アダム・ドライバーを初めて観たのは『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』で暗い眼を持つカイロ・レン。その次は『最後の決闘裁判』で性的加害者となった色男。不気味な役が続いていたが、本映画では少し気が弱く笑顔の素敵な弁護士志望の学生として物語が始まる。 初めて見る爽やかな笑顔に癒されていると、グッチ創業者の孫として悲運にのまれていってしまい、年齢とともに次第に大胆で冷淡な経営者となっていく。 やがて妻になるレディー・ガガは野心家の女性として登

          映画『ハウス・オブ・グッチ』

          映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』

          このシリーズを観る前には、騙されることをあらかじめ想定している。しかし映画が始まるとすぐに、虚構と事実を確認する暇もなく華やかなコンゲームに引きずり込まれていく。初めから全てを疑って観ることもできるが、それでは面白くない。こちらもわざわざ騙されに来ているのだ。 それにしても、なんて馬鹿馬鹿しいミステリーコメディ。街ひとつぶんの大掛かりなセットに大仰な芝居、勧善懲悪したのちの大団円では思い切り飲んではしゃぐ。そこには一つの定型があり、それを望んでスカッとしている自分もいる。伏

          映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』

          映画『世界で一番美しい少年』

          ヴィスコンティの映画『ベニスに死す』で、マーラーの交響曲第5番から「アダージェット」が物憂く流れる中、棒につかまりグルグル回っていた美青年。そのビョルンが歳をとり、長い白髪ヤギ髭の老人として怪映画『ミッドサマー』に出演していたと知り驚いた。これは近年のビョルンに密着したドキュメンタリー映画。 『ベニスに死す』以降に日本で活動した時期があり、池田理代子さんのベルばらではオスカルのモデルとなったらしい。本映画では2人が初めて対面する。1971年には日本語でレコード『永遠にふたり

          映画『世界で一番美しい少年』

          【いにしえフォンの機種変】

          初めてスマホを手にしたのは、おそらく2015年12月。 それまでは、かたくなにガラケーを使っていた。 当時のトガリとして、買い換えてもよいが決して最新の機種ではなく、1番容量の少ないスマホを使う、という気持ちがあった。スマホなんぞに興味はない、というスタンスだったと思う。よって、容量が16GBのiPhone6sを買った。 あれから6年。OSは徐々に肥大化し、「その他」という謎の領域もリセットしたとて容量を圧迫してくる。残り5GBのデータ容量をなんとかやりくりし、音楽のダウンロ

          【いにしえフォンの機種変】

          映画『明け方の若者たち』

          下北沢から高円寺へのサブカル巡礼、飲み会で知り合った学生カップル、モラトリアムから社会人への失望、と順序正しく提示され、去年に観た『花束みたいな恋をした』のデジャヴュかと思った。 しかしある時、さりげなく明かされる驚きの秘密をきっかけに、今までの風景がまるで違ってみえてくる。 北村匠海は繊細くんが似合う。どこまでも可愛らしい黒島結菜とのカップルは、嫌味やてらいなく自然体で喜んだり絶望したりと、失われた美しい時間への憧憬を紡ぎ出す。 思い返すと、どこまでも胸が苦しくなる。

          映画『明け方の若者たち』