yutakafish

生活のことや思ったこと、書きたいことをかけばなぜ書いているかがわかると思いスタート。 …

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生活のことや思ったこと、書きたいことをかけばなぜ書いているかがわかると思いスタート。 冬の空が好き、京都が好き、柴犬と猫が好きでやっぱり自分が好き。昔からずっと、トンボを追いかけるような生き方をしている気がする40代男性。

最近の記事

喧騒を見下ろすロータスタワー

ミャンマーから帰国後、息継ぎするような短い時間を経て家を出る。 何十年ぶりかの成田エクスプレスに乗って、変わらない快適さに感動をした。 成田空港。羽田と比べるとさすが日本の玄関口は健在で、年季は入っでいるものの、敷地の広大さに驚くだけでなく、なんだか自慢したくもなるような気持ちにもなった。成田はすごいんだよ、と。 渡航前、なぜかオンラインチェックインができずカウンターに並ぶ。帰国する国の人が大半なんだろうと想像していたが、思ったよりも日本の観光客らしき人たちが多かったのに

    • ヤンゴンから日本、一息ついてまた

      ヤンゴンには仕事でいったので、ほとんど観光らしいことはできなかった。 最後の日はフライトまで時間があったので、シュエダゴン・パゴダに行ってみたかったのだが、 「ダウンタウンまでドライブいきませんか?」 湿気をたっぷり含んだ外の気温。 僕がこの日帰ると聞いた仕事でお世話になった現地の人、Aさんが大量の汗をかきながらホテルまで迎えにきてくれた。 予定を変更し、急いでかけつけてくれたという気持ちが嬉しかった。 「さぁいきましょう」 彼のクラウンに乗り、心地の良い良い音でドアが閉まる

      • ヤンゴンに流れる時間と景色

        ミャンマーは数年前のクーデター以降、日本からは危険で不安定な政情を抱えた国、という印象が強く、渡航には幾ばくかの覚悟が必要とされたが、いざ現地に来てみると、ヤンゴンの人々はいつもどおりの日常に身を委ねている。 「私達の生活は普段と変わりませんよ」と、鮮やかな柄物のロンジーを着た現地の女性が話してくれた。 他の人も同じようなことを話していたが、街中から消えたミャンマービール、 現地の人曰く「政府の嫌がらせ」と呼ぶ日中の停電。 深夜の外出禁止令や、交通誘導をしなくなった警察官。

        • 久しぶりの海外にて

          出張で海外にきているのだけど、実は海外にいくのはもう10何年かぶりで、パスポートも作り直し、空港の行き方、チェックインの仕方、保安検査からの流れ、免税店で買えるものなど1から学びなおすほどに緊張して臨んだ。 実は昔バックパッカーみたいなことをやっていて、色んな国に行ったことがあって、 まぁなんとかなるでしょうという気持ちだけは忘れずに残っていた。 羽田から長蛇の保安検査を通り、バイト初日のような身の任せ方でその後を通過し、遅れないようにと急いでゲートに向かい、道中で免税店に

        喧騒を見下ろすロータスタワー

          ゆるしいろ

          どこか遠くのオフィスからでも桜がみえるかな。 あくびを漏らす陽気の季節。 教室の窓際で肘をついて眺める。 真っ青な空を仰ぐ周りに花が舞う。 今日1日がよくなりますように。 そう手書きされた紙コップにも桜が咲く。 ハンドルを握る僕の左手。少し伸ばした先に君が座っている。 この距離がずっと、僕らだった。 まるでそれは、大きな木を見上げている僕と桜のような遠さだった。 駐車場に車を停めて外にでる。 思ったよりも大きな音をたてて閉まったことに誤解を与えたくなくって、 もう一度

          ゆるしいろ

          夏の空は青くて広くてそして1人

          暗い部屋とオーシャンブルーのコントラスト。 昼過ぎの時はいつもよりなだらかに、遠くの波に揺られて時間が進む。 座りなれたイスに腰掛け、太い木製の窓枠からみる海の景色はまぶしくて広い。 スマホが私を呼びかけるバイブ音。波が引く音と重なる心地よい世界に目を閉じて、 精神だけの身体を外に出す。 光いっぱいの砂浜に素足を乗せる。 暑さにたまらず足を進めると、 潮の香りが鼻から奥へ、 そして器官を通して体を内から包み込む。 私は火照った体を海中に浸し、思ったよりも暖かい透明な世界

          夏の空は青くて広くてそして1人

          旅の思い出を雲に浮かべて

          出張が終わり、空路で帰路に。 数年ぶりに乗った飛行機の振動、シートの金属音、視界に収まらない空の世界。 無邪気なほど心を躍らせて、 僕は青い外の風景を焼き付けていた。 終わらない空の先や、小さくなった航空地図のような街を見てたくさんの夢を想像していると、あっといまに到着。 人が忙しく交差する到着口からバスへ乗り込む。 空から持ってきた思い出に浸りつつ、長かった出張が静かに終わりの幕を閉じた。

          旅の思い出を雲に浮かべて

          7月のアドレスホッパー

          月初はアパホテルにいて、週末は東横インに移動し、間にビジネスホテルを何箇所かはさみ、 またアパホテルにいました。 7月は出張で、温度計が天まで上がる中、 重い荷物をうらみながら体いっぱいの汗をかいて 街を歩く。 僕は普段、あまり好んで知らないところへ行ったりはしない。自分の家、自分の空間でやすらぎと安息を両手で抱えていたい派だ。 しかし新幹線でも寝れるし、飛行機でも、アジアの鉄道でもフェリーでも、違う枕でも構わず過ごせてもしまう生命力のある派でもあり、なんだかよくわから

          7月のアドレスホッパー

          7月の寄り道

          夕方時。人が行き交うホームを越えた先に、とても静かな神社に立ち寄った。 街中なのにとても静寂な空間に心が洗われた。 砂利を踏む音、風鈴の音色、無音の建物、風を肌に感じたとき息をしていることに気がついて、静かに手を合わせ、お参りをして去った。 鳥居をくぐって立ち去る前、優しい風が背中を撫でてくれた気がした。 夏のひととき、毎日暑いけど、神社にくると心が涼むなぁ。

          7月の寄り道

          出張先で見た日暮

          なんて神々しいのだろう。瀬田のマジックアワー。よくみると遠くに琵琶湖が。 自然の偉大さ、美しさに合掌。 出張の前半が終わりました。 久しぶりにこっちにどっぷり戻ってきて思うのは、「関西」という言葉のあいまいさ。 ここには大阪もあって、京都市もあって、神戸もあって滋賀もある。全然違うなぁなんて(改めて)感じる毎日だ。 関東だってそう。やっぱり色んなとこに直接足を運んで、自分の体で感じないとなぁ。

          出張先で見た日暮

          浜風をあびにゆこう、日曜日にまた

          海闊天空、またきてしまった山下公園。 朝からちょっと暑いが気持ちいい。 海って心が鎮まるというか、波のいったりきたりしている音が感情を安定させてくれるというか、いいですね。 海の景色が脳にリンクして、ハッピーなホルモンを与えてくれるんだろう。 まさに慈母、地球の母。 山下公園のこと、ネットで調べながらお散歩して帰ろう。

          浜風をあびにゆこう、日曜日にまた

          飲み会

          久しぶりに夜は外食をした。 その日はしとしと降っていて、濡れたお庭の緑が照明に当たり、色気のある美しさに見えた。建物も和洋折衷なレトロっぽい佇まいで、すがすがしい開放的な木のにおいが居心地よかった。 肝心のお食事は言うことなくおいしかったのだけど、おしゃべりが楽しくてつい一人でビールをガバガバ飲んでしまい、食を堪能するというより、飲み会を満喫してしまったような気がする。 都心の隠れ家で、思ったより気軽に過ごせるこの場所に来てよかった。

          深夜、飲み、ワープするワンダーランドへ

          久しぶりにワンダーランドへ。 いや、ワープした。気の許せる人たちとたくさん笑って、たくさん飲んで、二次会に引っ張られてまた飲んで、やっぱりまたケラケラして飲んだ。 僕のように笑顔で終電に手を振った人や、飲み疲れた人、遠征してきた人にいつもの夜をやり過ごす人。 いろんな人の寝息に僕も参戦して、 みんなの朝を逆流して家路につきました。

          深夜、飲み、ワープするワンダーランドへ

          りんごあめと花火(5)

          どこから手に入れてきたのだろう、いくらしたのだろう。 青みがかったグレーの生地からはお仏壇のような古いにおいがして恥ずかしい。 鏡があるのに、私は両手を広げて自分の着ているものを観察した。 少し短かった袖から、肩のほうまで指を滑らせる。 黄色の糸で植物や、お花の刺繍がある。きれい。 これは木綿の生地で、自然な質感だしシワをきにしなくても着れる。 浴衣に気持ちがいっている私をよそに、お母さんは暗記した説明書を読むような うろ覚えさで私に自慢をした。 「これ、いくらしたの?」

          りんごあめと花火(5)

          りんごあめと花火(4)

          さっちゃんの残念そうな声が頭から離れない。 申し訳ない気持ちや、残念な気持ち。お母さんにきついことをいってしまった後悔。 頭がもやもやしていて気持ちが悪い。 ぐるぐるした世界を振り払うかのように、ベランダへ出た。 外は曇っていて、白とも灰ともいえない雲がもやっと流れている。 青い空はこの雲に隠れているんだろうな、と、見えない青空を想像することで、 私は、この日の空のような気持ちを紛らわせようとしていたのかもしれない。 しばらく雲を眺めていたが、風もなく、重たくて生臭い空気を浴

          りんごあめと花火(4)

          りんごあめと花火(3)

          家に戻る。うちは市営住宅に住んでいて、年季の入った建物は、 いつもくたびれた様子でたたずんでいる。 「ぎいっ」 部屋の扉が鳴く。 鈍く重い音が不気味だと最初は怖くも感じたけれど、 いつからか、そのマイペースで、たまに甲高い音も立てたと思ったら、調子のいいときには静かに開くその扉が、人間くさく感じて一方通行な親近感を私は楽しんでいる。 「ああ、今日もいつものぎいっね。おはよう」 などと挨拶さえするほどだ。 「ただいま」 といっても誰もいない。うちはお母さんと2人暮らしで、

          りんごあめと花火(3)