見出し画像

夜の長さと花が咲くこと


昨日は春分の日でしたね。

去年の12月、冬至の日に一年で一番日が短くなり、そこから徐々に日は長くなって、昨日の春分の日、昼と夜の長さが等しくなりました。

ここから6月の夏至に向かってどんどん日は長くなっていきます。

この、日が長くなる今の時期は、植物にとっては正に花の時期です。

植物はどんな風にして花を咲かせる時期を見極めているのでしょうか。

暖かくなると花が咲くとよく言われますね。

確かに花が咲くためには気温も必要なのですが、植物は気温よりも日の長さを頼りに花を咲かせています。

なぜかというと、気温は常に一定方向に向かっているわけではなく、「三寒四温」という言葉があるように、暖かくなったと思ったら急に寒くなったりするわけです。

暖かくなったと思って花を咲かせてしまうと、そのあと急に気温が下がって花が傷んでしまったり、暖かくなって虫が活動するので花粉を運んでもらえると思っていると、まだ虫が活動するには寒すぎたりということも起こります。

その点、後戻りしたせず、正確なのは日の長さなのです。

日の長さは昨日は長かったけど今日は短くなったなんてことはなく、常に一定方向に動いています。

どんな年でも春分から夏至にかけて夜よりも昼が長くなり、夏至をピークに昼の長さが一番長くなってからは秋分にかけて徐々に日の長さは短くなり、秋分から冬至にかけて昼よりも夜が長くなり、冬至をピークに一番夜が長くなってからは、春分にかけて徐々に日の長さの方がが長くなるという具合です。

植物はそのことをよくわかっていて、その植物ごとに「限界暗期」というものを持っています。

夜の長さが一定時間以上になる(秋から冬のことです)、または夜の長さが一定時間以下になる(春から夏のことです)と花を咲かせるというものです。

今開いている花は、春になって夜の長さが一定時間以下になったことを感知して咲いているわけです。

暖かくなったから花が咲いたなあ、なんてこっちはのんびり感じていますが、植物はいつでも夜の長さをモニターしていて、植物によっては夜の長さの15分の違いを感知できるそうです。

なので、夜の長さが一定の時間以上になると咲く植物を、ずっと明るい部屋で育てていたりすると花が咲かないなんてことも起こります。

植物は日の長さによって、つまり太陽の周りをまわる地球の運行と共に花を咲かせているのです。



KigiのWebサイトはこちら https://kigi.amebaownd.com/