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「それからの海舟」のルートをたどる①【最高だった】

「それからの海舟」とは江戸無血開城を成し遂げたあとの勝海舟を描いた、半藤一利さんの著書である。

勝海舟お好きなら復習も兼ねて1度手に取られたし。徳川慶喜や西郷さんもかなり出てくる。


この本を電車で読みはじめて、最初からニヤニヤが止まらなかった。なぜかって、著者の半藤一利さんが勝海舟ゆかりの地をめぐった記録が残されていたからである。

史跡めぐりが趣味の私、大歓喜。

とりあえず全部回ることとして、「能勢妙見山別院」から行くことに。

というのも勝海舟ファンならご存知、子母澤寛さんの父子鷹に出てくるのである。

勝麟太郎は9歳のとき、野良犬にキン○マ(ごめんなさい)を噛まれて命の危機に瀕した。

その際に父親の勝小吉が毎日水垢離をして、お参りしたのが「能勢妙見山別院」なのである。


本所吾妻橋駅からとっとこ歩いて十五分ほど。
あった。

勝海舟像もあり、勝海舟お守りもあり。
御朱印には「父子鷹の妙見」と書かれている。

御朱印を頂くだけのつもりが、ふと「半藤一利さんは中に上がって丁寧にお参りしてたな」と思い出す。
「父子鷹を読んできたのですが、上がってもいいですか?」と尋ねるとどうぞどうぞとおばあちゃま。

80代だといいながら肌はつやつや、美人。
「昔ね、おじいさんが訪ねてきていろいろお話聞かれてね、その内容が本になってたの、有名なおじいさんだったみたいね」とおばあちゃま。
(なんのことだかこの時点ではよくわからず)
「ゆっくりしてってね、お線香もあげてくださいね」と至れり尽くせり。

「字をかける人がいないから、日付は書かないわね」と日付が空欄の御朱印をくださった。逆にレア。

お線香をあげさせて頂いたあと、おばあちゃま本を持ってきた。
「お茶を入れてくるからこの本読んでいて、ここのページ、わたしのこと書いてあるから」と。
先の「昔ね、おじいさんが訪ねてきていろいろお話聞かれてね〜」のくだりの本らしい。

おわー、稲垣史生さんじゃん。
どれどれ…と読みすすめると、おばあちゃまが27歳のときの出来事だったらしくおばあちゃまが美人だった様子が詳細に描かれていた。(やっぱ美人は年取っても美人なんだな)
おばあちゃまはお茶をいれるとさっさとどこかに行ってしまわれた。

そんなこんなでお茶をいただき、麟太郎と小吉に思いを馳せ、楽しい時間を過ごせた。
史跡巡りをしているとこういう出会いがあるから幸せだ。

おばあちゃまにあやかって「考証江戸を歩く」も買った。
1988年の本なので今の風景との違いを確認しながら歩くのも楽しそう。

どなたか江戸散歩、一緒にしませんか。


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