見出し画像

指人形、はじめましたの行為と記録 Vol.127「ホオジロザメ量産中」

ゆびにん制作日記(2024.02.19 - 02.25)
今週はひたすらホオジロザメのパーツ切り出し→組み立てを繰り返していました。
2/19 (月) 
背びれ、腹びれ、尾びれのパーツ切り出し、組み立て。
2/20 (火) - 22 (木) 背びれ、腹びれ、尾びれ組み立て。
2/23 (金) 
鼻孔、えら孔刺繍。
2/24 (土) 
えら孔刺繍。
2/25 (日) 
目を縫い付ける。

今回無駄にカラーバリエーションがあります。これ以外に在庫が2体いるので全30色。

今週読んだ本
もし「源氏物語」の時代に芥川賞・直木賞があったら
小谷野流「日本文学史早わかり」/小谷野敦(秀和システム)
読了。
『文豪の女性遍歴』など小谷野さんが作家について語っている本は面白いのと、本と雑談ラジオで枡野さんがちらっと話していたのを聞いて気になったので読んでみました。平安時代から始まり、芥川龍之介の時代まで、網羅的に作家や作品タイトルを挙げて芥川賞・直木賞を授賞する作品を選定する、という内容の小説になっています。ページ数こそ255ページとそこまで長くはないのですが、とにかく注釈が多くて読むのがなかなか大変でした…明治時代の見世物小屋の「鳥娘」という演目について少し書かれていたり、サーカスの「葛の葉」という演目の由来となる浄瑠璃について記載されていたりと、私にとっては興味深い部分が色々ありました。読んでみたいと思った作品は『日本霊異記』『いちご姫』『土』『夜の寝覚』『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』『結 妹背山婦女庭訓 波模様』など。
石川啄木について書かれている部分にどう考えても枡野さんとしか思えない人物が登場するのが面白かったです。

「啄木かあ。人間がだらしないからなあ。私は酒呑みが嫌いだしね。ああでも、『ローマ字日記』は面白いな。小説の『雲は天才である』は『坊っちゃん』の真似をして中絶したやつだけど。しかし啄木は囲野一郎さんが好きだったから、芥川賞にしておくか」
 囲野一郎は、小谷崎と親しい歌人である。

P.235

砂時計/芦原妃名子(Betsucomiフラワーコミックス)
5〜10巻読了。
8巻までが本編、9・10巻には番外編が収録されているという構成なんですが、本編が後半になるにつれて読むのが辛かったです。特に6〜8巻は泣きながら読みました…自殺したり、自殺未遂する人物が登場する作品なので、作者が自殺したことによって別の意味が生まれちゃっている部分が多々あるんですよね。昨年までの間に読んでいればここまで読むのキツくなかった気がする…作中で主人公が辛い時、支えになったり励ましてくれる人が何人も登場するのですが、話している間や話した直後は主人公が多少救われはするものの、結局自ら暗い方に向かって行ってしまうというところが人間の本質をついているし、人の心の機微をここまで繊細に描ける人だからこそ、耐えられなかったのかもしれないなあ…と思いました。ここまで希望のある作品を生み出した人でも引っ張られてしまうんだから、人間は本当に脆い生き物なんだなとつくづく思います。単行本内の柱や裏話的な漫画の中に、芦原先生の楽しかった思い出が色々と書かれているのですが、精神的にキツい時に楽しかった思い出や幸福な記憶を思い出すのはなかなか難しいことで、そういう出来事も役に立たないと思うと虚しくなってしまいますね…セクシー田中さんの脚本家まじで許せん(結局そこ)
本編も読み応えのある良作なのですが、私は10巻に収録されている番外編の「time letter」が印象に残りました。人間がいかに多面的な生き物かということがよく表れているし、人は「正しさ」には救われないということも描かれている…登場人物の幸田先生のある決断に関しては周りの人間はほっといてやれよと正直思いましたけど、まあ田舎だからなのかな…別に白黒はっきりつけなくてもいいことってあると思いますけどね…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?