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京都のまた行きたい店4 唯一無二のピザ「Monk」

京都に「Monk」というピザ屋、いや、“ピザ割烹”がある。この店の鯖のピザは、口にした瞬間笑ってしまうほど、おいしい。

市内の東側、哲学の道沿いに「Monk」はある。店にたどり着くまでの道途中、古い民家や静かな自然の風景に引き込まれる。歩きながら「こんな静かなところに店を作る人って、どんな人だろう」と思った。

店に入ると、6席ほどのカウンターと、テーブルが2つ。それから大きなピザ窯が見えた。パチパチと小さく薪が燃える音がする。窯の前にはまさに「Monk(僧侶)」のようなシェフ・今井さん。「こんばんは」と、柔らかい声が心地よい。ピザ屋という言葉から連想する眩い店構えとは対極の、もはや割烹と呼ぶべき雰囲気だ。

カウンターに座り、窯の揺れる炎を眺めながら料理を待つ。最初にアミューズ、そして素焼きのピザが出てくる。オリーブオイルと粉チーズだけで食べるシンプルなピザは、素朴で滋味深い味わい。新しいピザの楽しみ方を提案しましょう、という“静かな宣言”にも感じた

お次は京都・大原で採れた新鮮野菜を使った釜焼き野菜。毎朝、今井さんが大原まで車を走らせて買ってきた有機野菜を使っている。
一口食べると、野菜ってこんなにもおいしかったっけ? と思うくらい、野菜本来の甘みや苦味などがぎゅっと凝縮されている。食べ終わる頃に、そもそも「ピザ窯で焼いた野菜」を初めて食べたことに気づいた。

色々想いにふけりながら、待ちに待ったピザを頼むときがやってきた。ピザは具材をハーフ&ハーフで選べる食いしん坊向け仕様。なす、しらす、しいたけ、鯖、など今まで一度もお目にかかったことのないピザの具ばかりで、私は大好物の鯖としらすを選んだ。

熱々のピザに心奪われながら、大きくほおばった。小麦の香りと鯖特有の味わい、ふっくらした生地の食感、旨味が雪崩のように押し寄せてくる。口の中に全神経を集中させて「うまい」しか言わずに、するすると食べ終わった。あの時を思い出すだけで、私は心がいっぱいになる。

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