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[映画]フェイブルマンズ

スピルパーグ監督。私にとってはアメリカの夢と成功そのものの存在です。どんなに才能があってもバランスを崩して活躍できなくなったり、芸術的には評価されても興業が厳しかったり、容赦ない競争社会の中、ずっと活躍している成功者。才能に溢れ、器用で、キラキラしている印象を持っていました。

しかし、薄々感じてはいますが、表現する人に影の部分がない訳はない。もちろん凡人ですらもそうです。スピルパーグ監督は人1倍繊細で、こだわりが強く、傷ついたこともあり、凄まじい努力と葛藤を乗り越えてきたことが、静かに描かれる作品でした。

お母さんがとても素晴らしく描かれていました。きっと大好きなのだろうな。幼少期に秘密でカメラを持たせるのも、ピアノのために家事をしないのも、子供はしっかり学校に行かせ、でも心が自由なのも、本当に魅力的。
それをキラキラと演じる女優さんも、温かく見守る2人の男性陣も、結果的に子供たちに怒りや悲しみをもたらしたとしても、その毎日は素晴らしくかけがえのないものだったことを伝えてくれました。

ああ、それでも、暗い面があったとしても、スピルパーグは生粋のエンターテイナーなのでしょうね。最後のシーンで私たちに希望を与えてくれます。

☆☆☆★★

監督  スティーブン・スピルパーグ
脚本  トニー・クシュナー  スティーブン・スピルパーグ
出演  ミシェル・ウィリアムズ, ポール・ダノ, セス・ローゲン, ガブリエル・ラベル, ジャド・ハーシュ
2022年 米国https://www.universalpictures.jp/micro/fabelmans

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