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anna

2月。とても楽しみにしていたライブがあった。
いつか観てみたいと強く思っていた空気階段の単独。こんな世の中だから、私は飛行機に乗らずに家のテレビから観ることができた。

DVDを楽しみにしていることもあり、直接的なことは書きませんが、最後のコントに繋がる間接的な思い出を書きたいと思います。


ラジオの最終回に夜景を見に行ったふたり。澄んだ夜の空気が綺麗だった。すごくすごくロマンチックなシーンだった。

私は20歳のときに、本気の初恋に出逢った。優しいけど残酷な片想いで終わったからか、相当引きづった。遠くに引っ越した彼のことを、良い作品を観る度に重ねて思っていたが、次第に良い思い出になった。

2年前に同級生で集まって、みんなで食事を共にした。その後に、彼ともう一人の友人と、3人という大学生以来の少ない人数でもう一軒のお店を探した。
懐かしく変わらないお喋りの心地良さと、20歳の自分との再会に感動しつつ、これが最後だとも悟った。
それぞれに手を振り別れた後は、ひとり少し外の空気を吸った。

私は同じ道を歩けなかったが、ひとりの人を想った。なんだか、そんな夜を思い出した。


もうひとつ好きだったシーンは、教室でお互いが同じラジオを聴いていると気付いたところ。

私は高校3年生の頃、夜10時からの帯番組を聴きながら、受験勉強していた。
クラスで大人しかった私は、特に発信していたわけではないのに、何のきっかけか、特に交流のなかった女子と男子と私の3人がリスナーだということをお互いに知った。特別なことを共有した嬉しさがあった。

卒業も近づいたある日、その女子がクイズコーナーに電話出演すると告白してくれた。私達はガラケーでニッポン放送に応援メールをドキドキしながら送った。

卒業して、私達は別々の大学に進んだ。
彼女は上京して、数年前にUターンした。いつの間にか二人で海外旅行をする仲になった。

今はradikoで好きな時間に手軽にラジオを聴ける。便利だ。もう手放せない。
高校生の頃に自分の部屋でラジカセから流れる音を拾い、翌朝教室でその話をした。これがどんなに特別なことか、空気階段の二人は知っていて、その儚さを描いた。


空気階段のコントは、私に人生に色があることを思い出させてくれる。
ひたすら笑ったり、不思議に出逢ったり、よく考えたり、切なく思ったり、
そして、私の大したことない道のりから、小さな幸せを掘り返してくれたりする。

毎年の恒例行事にしたいので、色々なことが元に戻っても配信は継続してください!どうかよろしくお願いします!!

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