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MDが紡いだ音楽

深夜ラジオが好き。ラジオをよく聴くようになったのは、前に書いた通り、約5年前。

その前に私には第一次ラジオブームがあった。そのブームの立役者、「MDコンポ」について書こうと思います。

ちなみに私はお笑いで言うところの6.5世代。平成生まれじゃないよね?と聞かれて、そうです!昭和です!と答える世代です。


中学1年生の夏前の誕生日。私は両親にSonyのMDコンポを買ってもらった。高かったから、お年玉さんにも声掛けしたような記憶がある。

水色と白とシルバーの何とも可愛くて仕方ないデザイン。スケルトンとラメが流行った時代を感じるけど、今見ても、かわええ。(引っ越しを機に実家送りの刑にしてしまったので今の家には無いけど、つい2年前まで現役!)

中学1年の夏休み、今考えても地獄だった。
それでも、明るい陽射しの中で、私作成、青いMDの「KinKi Kidsスペシャル!」一曲目の「夏の王様」のイントロを聴けば、どんなことでも乗り切れそうだったし、実際になんとか乗り越えた。毎朝「メゲてちゃ ちょっと ダメじゃんかBaby 」と言われたら、メゲてばかりじゃいられない。13歳の私にとって一番の励ましソングだった。


今であれば、サブスクやYouTubeで好きな時に好きな曲を聴ける。

当時は、季節ごとにTSUTAYAにCDを借りに行って、一枚ずつコンポに取り込んで、手書きでラベルを書く。初期はシングルを8枚くらい借りてきて、「2000年秋シングル総集編」なんてタイトルをつけた。高校生になると好きなアーティストが絞られてきて、アルバムが多くなる。

一番真剣だったときはMDごとに曲名をリモコンで入力した。TSUTAYAの無料冊子から2cmくらいのジャケットをカッターで切り抜き、MDのラベルに糊で貼ったりしていた。
宇多田ヒカルのDistanceはオレンジ色のMaxellのMDにオレンジ色のペンで曲名を書いたな、なんて、今でもすぐに思い出せる。緑のジャケットだから緑にしたら良かったと後悔した。
暇だったのか、マメだったのか、何か成し遂げられそうな真剣さである。

それだけに、一枚、一曲に対しての思い入れが凄かった。ずっと一緒に歌っているもんだから、曲名や曲順は当たり前で、歌詞もほとんど覚えたりしていた。

今はお気に入り曲や好きな歌手が新たに増えることが減った。それは単に年齢のせいだけではなく、苦労して手に入れたもののほうが、尊く感じるんだろうな、と素直に思う。


でも、ラジオに関しては、圧倒的に今のほうが良い!このMDコンポを手に入れてから、音楽だけではなく、私はラジオを入手した。が、しかし、聴くのには相当苦労した。

私の住んでいる地域はAMの民放が2局しかない。TBSとニッポン放送と文化放送が系列関係なく、2局に振り分けられていた。だから、番組は続いているのに、急に打ち切りになることもあり、とてもショックだった。

内輪ノリの発言がネットに取り上げられたり、苦労もあるんだろうけど、タイムフリー、エリアフリーがなかったら、絶対出会えなかった番組がある。

今ならラジオで流れた曲もすぐに調べられる。「フィラー」というものも知った。BiSHの「星が瞬く夜に」をテレビで見ていた時、どこかで聴いたことあるなーと思った。後日、霜降り明星のANN0だと分かった時に感動した。ディレクターの三浦さんの「星」に紐づいたフィラーのセンスが好きだった。

「星が瞬く夜に」は好きだ。よく聴いた。
ワンクリックで簡単に曲が聴ける時代でも、あの時期この曲ばっかり聴いていたな、という曲を探していきたい。ラジオでの出会いみたいな付加価値があったら、これからもきっと見つかる気がする。

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