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ホヤになった私

ホヤってみなさん知ってますか?
自分はこの前、初めて仙台で食べたのですが、とても美味しかったです!

海の味がした。

最近、知り合いにホヤの刺身が美味しかったって話をしたら、
「ホヤって知らないな〜魚なの?貝?」
ってリアクションでした。高校で習う生物レベルくらいのことしか知りませんが、その場でホヤの分類について早口で語ってしまいました。

ホヤは原索動物に分類されます。
貝等の軟体動物には脊椎を認めませんが、魚類などでは脊椎を認めます。原索動物は脊椎は認めませんが神経管や神経管と並走する原索という組織を認めます。そのため、脊椎動物の近縁とされています。脊椎動物と合わせて脊索動物とも呼ばれます。(ここまでうろ覚え)
つまり、ホヤは分類的には貝の仲間でも魚の仲間でも無いのです。

そして、ホヤは面白い生態を持ちます。
幼体はオタマジャクシのような姿をしており、前述した原索や、中枢神経組織(脳)も持つそうです。遊泳して良さげな岩場等を探し、そこで成体に変態します。成体になる際に原索や脳を失います。成体はそのまま岩場に固着して移動せずに一生を過ごします。

人間では大きくなるにつれ脳が発達し行動範囲が増えるものですが、ホヤは小さい時こそ脊椎動物に近い脳を持って泳いで移動するのに、成体になると脳を失ってその場で留まって一生を過ごすのが面白いですよね。

自分は若い時(高校生くらいまで)は夢を持っていて、希望の進路に進むために色々考えて頑張っていましたが、希望の進路に進めなかったことで将来について考えることが極端に億劫になってしまい、流されるままここまで来てしまいました。

世間では、自分くらいの年齢でも夢に向かって進路を変える人は決して少なく無いはずです。だけど自分は一生このままズルズルと、夢を叶えた人にコンプレックスを抱きながら、かつて夢見た将来を心の奥底に秘めて、岩場で固着生活を送るのでしょう。

仙台の水族館でホヤを見ながら、なんとなくその生態に親近感を抱いたのでした。

仙台うみの杜水族館

せめて美味しいお刺身になれるような人生を送った方が良いのかもしれません。

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