新工場設立の話 IGA STUDIO PROJECT（2）～やっぱり個人保証が必要だった
前回の続き
新工場設立の話 IGA STUDIO PROJECT（１）～予想外7000坪の用地購入
購入したのは7000坪の工業用地とそこにある工場建屋、事務所棟建屋などのいくつかの建築物です。
購入したのは、2017年4月ですが、この用地の中にある工場建屋。こちらに入ってる会社さん（この土地のオーナーでもある）は、2018年夏までは、この工場を使いたいという条件が付いてました。
この会社は、ある大手メーカーからの仕事を請けて、この工場で対応していたわけですが、その仕事が2018年夏に無くなるということが確定してたわけです。なので、早く売却して資産を減らしたかったわけですね。とはいっても、まだ一年仕事はあるので、その間は、うちがその会社に賃貸するという形をとりました。
つまり、僕らは全部一式買ったものの、工場を一年間は他社に貸してる状態です。この賃貸料金は、固定資産税を払って少し儲けが出る程度に設定させてもらい、相手側とも合意がとれました。
僕らにとっても、この莫大な土地と建屋を手に入れたものの、すぐさま建屋の改装に取り掛かるだけの体力はありません。当時は少なくとも一年ぐらいは様子を見ないとという感じだったので、その条件はちょうど良かったのです。
その1年の間に設計やら準備をして、2018年夏に完全引き渡し。そこから工事に入れば2019年春には、新工場の稼働もスタートできるだろう、ぐらいなタイムスケジュールにしていました。後々、そのスケジュールが大きく狂うことになるわけですが、その時は、工場を作るってのがこんなに大変なこととは、想像もしてませんでした。
ん億の個人保証
この土地と建屋の購入が、僕が代表に就任してはじめての大きい買い物です。
僕が代表に就任する前からの銀行借り入れに関しては、当然ながらそれぞれ担保がついてたり、親父の個人保証がついてりという状態でした。2016年に僕が代表になったタイミングで、僕がそれを引き継いだわけですが、その際に、個人保証や担保を外してもらう、という交渉をしていきました。
この辺は色々テクニックもありますが、借り換えなども使いつつ、大部分の個人保証は外すことができました。
ただ、今回の借入では、どうしても僕の（社長の）個人保証が必要だということになりました。やっぱりいるんかい、、、って感じですね。
銀行としては、社長としての覚悟を見せて欲しい、その覚悟があれば上も納得するみたいな説明でしたが、まぁ、何はともあれ何億という個人保証ってのは、未だ日本の中小零細の経営者のリスクの高さを示す典型的な悪習だなぁと思うばかりです。
こんなの仮に僕が木村石鹸の身内後継でなく、外部の人間なら普通は断るでしょう。中小零細企業で外部から経営者を引っ張ってくることの難しさの１つは、この個人保証問題に絡む、リスクの高さにあるんではないかと思ってます。
最悪の事態について考えてたこと
最悪の事態の想定も一応はしてはいました。
工場は購入したものの、業績が良くなくなれば、無理に使わなくてもいいぐらいに考えてましたし、仮に稼働後でも、ひとまず4000坪の更地には手をつけなければ、最悪、こちらを売りに出せば、少なくとも取得坪単価を下回ることは無いだろうと考えてました。
もちろん、このご時世、そう簡単に買い手が見つかるとは思いませんが、そういう選択肢も頭に入れていたということです。実際、その工業団地での他の用地のやり取りの情報も掴んでいましたが、僕らの取得価よりはまだまだかなり高い坪単価で売買されていました。
また、4000坪の買い手が見つからなければ、今の八尾本社の土地を売却して三重に一本化。営業などの機能は大阪市内などの賃貸に移行というようなプランもシミュレーションしてました。今の本社のある辺りは人気が高いので、何かしら買い手は見つかるだろうと踏んでました。
まぁ、これらはすべて「いざ」という時に、どんな手を打てるかということで検討してたもので、今のところはまだどの手も具体的な検討はせずに済んではいるのですが。
ただ、実際に二拠点工場の稼働は、固定費の増加は避けられないですし、オペレーションも複雑になるので、むしろ稼働始まってからの方が重要かなと思ってます。気を引き締めていかねばなりません。
はい。次から、ようやくIGAスタジオの設計とかコンセプトとか、プロジェクトの話です。長くてすいません。
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