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「下請け」ではなく「パートナー」なんでは?

うちの会社では、「下請け」という言葉はあまり使わない。僕も個人的に好きではない。

ある仕事をするのに、発注元が「上」で、受注側が「下」というのは、どういうことなんだろうかと思う。

僕らの仕事は、僕らだけで単独でできる仕事はほとんどない。中身の製造はできても、容器や資材、印刷、配送、デザイン....  これらはすべて外部の企業さんとの協力で成り立つ。また、「中身」についても、工場のキャパや得意不得意によっては、ある工程を別の会社にお願いする、ということも多々ある。こういう仕事の関係は、けっして「上下」ではない。重要な「パートナー」だ。


仕事を発注してやってる、お金を払ってる、から「上」というわけではない。それは仕事や情報やお金の流れの方向がそうなだけであって、ほとんどの仕事は協働なんじゃないかと思ってる。

この火事に見舞われた加工会社さんは、特定の工程を請け負う会社さんなので、世間的にはいわゆる「下請け」という立場として見られやすい性質の会社なのかもしれない。

またその加工も、その会社しか出来ないというものではないので、発注先からは価格競争のふるいにかけられやすい、比較的「代替え」しやすい仕事なのかもしれない。でも、だから、そういう会社を自分達の仕事の単なる手段、道具としてしか見なければ、実は、得られる結果も、実はたいしたことではなく、どこでも得られる結果「以下」ぐらいのものにしかならなくなるんではないか。

僕らも「パートナー」との仕事との際には、その「パートナー」に何かあったときでも、こちらの仕事に致命的なダメージがないように、というリスクヘッジは常に頭に入れてて、複数のパートナーとの取引をするし、そこにしか出来ないような技術だとか、そこからしか手に入らないような原料みたいなものになるべく依存しないようにはしている。

でも、できれば信頼できるパートナーと、長く一緒に仕事ができるほうが、良い仕事ができると僕は思ってる。パートナーにも儲かる仕事でなければ長続きしないので、無理な値引き要求はしないし、よほどのことがない限りは、価格条件でパートナーを変えることはない。そして、パートナーがピンチに陥ってる時は、できる限りのことはしなければならない。そんなお人よしでビジネスができるのかと言われるかもしれないが、当たり前だけど、誰でも彼でも支援するわけではない。信頼できるパートナーという条件がつく。

どこでもできる単純加工や処理の外注先だったとしても、「信頼できるパートナー」と、単なる「下請け」では、全然違う。それは、仕事を請ける側の姿勢や方法だけでなく、実は、発注側の視線や考え方でも大きく変わるのではないか。

単純加工


そしてパートナーなので、お互いで商品やサービスの価値を高めていく、競争優位を作り出していきたいと思ってる。それは、単に、「下請け」を搾取して、自社の利益を大きくする、ということではない。

価格や条件でころころパートナーを変えるところは、そこをパートナーとは見ず、単なる「下請け」と考えてるんだろう。どこでも代替え可能な「下請け」だと見てるに違いない。

こういう仕事の仕方とか、外部企業との関係の作り方をしてる企業は果たして良い仕事ができるんだろうか? 良い商品を提供できるんだろうか? そもそも、そういう会社が生み出すものが「良い」ものなのだろうか? かなり疑問がある。

社員のモチベーション云々はよく話題になるけど、社内とか社外なんて線引きは、これからますます曖昧になっていくばかりで、仕事はどんどんそういう境界線を越えたプロジェクト型のものが増えてくるんだろうと思う。 そうすると、外注先の人達にも、モチベーションを高めてもらった方が良い仕事ができるに違いない。

モチベーションを高めるには、「やらされ感」を無くし、自身で主体的に業務に取り組んでもらう、自分で選択肢、決断してもらう、ということが効果的だが、これは外注企業さんとの関係でも有効だと思うのだ。















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