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2023.4 市井ウォッチ18 

シニア女性らの井戸端会議こそが日本の「世間」の縮図である。 これはそのウォッチの記録である。

▼異次元の少子化対策をマダムが斬る

「何にもわかってへんと思うわー!」

ばっさり。

「お金とか、男性の育休とか、ファストなんとか(子育て世帯が博物館を並ばずに入れる・・・ような施策)とか、そういう話じゃないねん」
「そもそも中小では、育休とられへんやろ」

(※制度としてはあるが、使いづらいのでは?の意)
「まずケッコンやー」
「(政府の)中の人はほんとのとこがわかってへんちゃうの?」
「頭だけで考えてるなあ」

60代・子育てを終えたマダムと40歳・独身未婚の私。
まったくの同意見でした。

・産むとき、産んだ後のお金はこれだけもらえる。
・産んだらこんなに優遇がある。

これらもとても大事なことだと思う。
それで「ああ、やっと産める、産みたい」と思う「夫婦」も多いだろう。
しかしこれだけでは日本の少子化は止められないと思われる。

なぜなら、日本では「出産」するには「結婚」が大前提であると思うからだ。

これは、下記の東さんが辻田さんのおうちに行って(来てくれて)配信してくれた回でもおっしゃっていた(0:16頃から断続的に)。
気になる方はぜひ辻田chを見てみてください。結構面白い回なので本編だけでも都度課金でもおすすめです。

2023/03/03 【突発ゲスト回】東浩紀さん拙宅に降臨して新企画を大いに語る。 #国威発揚ウォッチ #シラス  
https://shirasu.io/t/tsujita/c/beobachter/p/20230303

私も、日本では結局、現実として、子どもよりまず「結婚」できなきゃどうにもならないと思っている(もちろん結婚しないで産むことを選択することを否定はしません。ただ、結婚しているカップルに比べて一般的にはかなり過酷な選択なのだと思っています。もちろん私は子を産んだことがないので全て想像でしかないわけですが)。

これから10年で、いきなり(フランスのように)事実婚が日本のカップルの主流になるとも思えない。
長らく「家」「長子(長男)」「嫡出子」「戸籍」をベースに考えてきた家族観が簡単に変わるとは思えない。

そしてまず「結婚」へのモチベーションが上がらない。

私だって結婚したくなかったわけではない。
でもそれで「何か(仕事、自由)を犠牲にする」ことはしたくなかった。
「それは甘い」と思われるかもしれない。「何かを手に入れたら何かは捨てることになる」それはそうです。でも実際結婚しなかった。
(※もっとも、私個人が今結婚していない最大の理由は「結婚するにふさわしいと思える人に会ってこなかった」ということだが・・・)

今、手にしているものを犠牲にしてもなお「結婚とはいいものだ」というコンセンサスは、現在の日本社会にはないように思われる。

それは子育ても同じだと思う。
日本での子育ては女性に多大な負担がかかる。
事実として産むのは女性だし、日本ではまだまだ家事も子育ても女性の負担が男性よりも大きい。
女性のみに多大な犠牲があってなお「子どもがいるとはいいものだ」とは思えなかった。

「少子化対策は、ばらまきに見えるわ。ま、選挙前やからな」

有権者もバカではない。
岸田首相に届け、大阪のオバチャンらの思い・・・!

少子化が嘆かれる一方で、毎週のように生まれたばかりの子どもが捨てられて亡くなったというニュースを聞く。どんな女性が、好き好んで、たった一人で痛みに耐えて出産したい、子どもを遺棄したいだろうか。そんな女性はこの世にいない。
もう子どもが産めないだろう私は、その孤独さと、生きられなかった命を思うと、とても心が痛い。
これは「結婚前提の出産」という日本のレーンからこぼれ落ちた女性たち・子どもたちを救う制度がないからだと思う。
できれば赤ちゃんポストとか内密出産とかもあって、児童施設もあって、里親とか子どものうちからの特別養子縁組も普通になって、生まれた子どもがみんなたのしく生きられるようになってほしいです。

▼「高市さん、逃げ切ったなああ」

”辞めるとは思ってなかったけど、実際辞める気配がないとガッカリ”ということらしい。
女性首相に一番近いところにいたのにねえ、と私が水を向けると
「そんなことになったら、日本が滅びるわ(キリッ)」
ということであった。
何がそんなにダメ(嫌)なのかは、おいおい聞いてみたい。

▼山林と空き家の相続(法改正)

これが職場の話題になるという事実に、ちょっと感動。
親が死んで、実際に相続した(これからきっと相続することになる)人たちの切実な恐れがあった。
日本語学校じゃ絶対に出ない話題である。
シニアにはシニアの悩みがある。

▼値上がり

マダムたちの関心はここ半年以上、ずっと「値上げ」にある。
不安は尽きない。

しかし、値上げを予見して大量に買い込んだ食品が食べきれず賞味期限を迎えてしまった、という話を聞くと、「・・・・・・(人間って)」という思いに囚われる。

結局、値上げに対して我々ができることはない。
「たんぱく質をほぼとらない(肉も卵も食べる気にならない)」というマダムもいたが、それで骨粗しょう症や寝たきりになっては本末転倒である。

不安に踊らされず、行ける範囲で安い店を探し、生存に必要なものは買うしかない。

ものがあるだけマシである(ソ連を見よ)。

しかし我々はいつからこんな羊のような性質になったのだろう。
コロナの時もその前も。我々はもう不満をいちいち表に出さなくなった。飛べないノミのように・・・。
米騒動(1918)を起こした国とは思えない。
昔の日本人は暴発しやすかったのだろうか? 
「元気があった」のだろうか?

発言は再構成して収録。ソースや真偽は不明です。

今週はここまで。

▼市井ウォッチのもと→「やばい私、やばい国」
https://note.com/yudetaito/n/n8334a1546e1a

▼構成員
職場は女性のみ若干名(40~60代)。結婚していて子どもがいる人と、独居独身子どもなしの人がいます。


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