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2023.12 最近の日本語学校のこと 番外編

最近は徒労感と「やってて良かった」が交互に来ます。

教師は、もちろんいい授業のために勉強し、考え続ければならないのですが、それさえやっていれば、うまくいくなどということはない。

クラスの雰囲気というものは、
けっこう
意外と
びっくりするくらい
学生個々人のメンタルと関係性によって規定されます。

日本語学校は多国籍です。
先生の授業の仕方云々と関係ないところで、
「コミュニケーションの取り方の違い」
「国柄の違い」
「だいたい月曜はブルー、金曜も疲れていてブルー→元気なし」
「気分にムラがある学生たち」
これらが混ざり合い、
空気が悪くなって虚無な授業になるときもあれば、
びっくりするくらいうまく進むときもある。

先生が「いい授業」をして、
学生もみんな私語をせず、おとなしく聞いてくれて、
でも先生が問いかけた時には元気よく答えてくれて・・・

なんていうクラスは(日本語学校では)ありえない。

母語の私語でがちゃがちゃするし
ケンカもするし
恋愛沙汰もあるし(あるんですよ)。

まだまだ子どもと大人が同居しています。

授業は先生が一方的にやるもんじゃない、
学生と先生が一緒に作るもの。

なんですが。

こっちも人間( ;∀;)

「やってられっか!!!!!!!!」とブチ切れて怒鳴りたくなる時も多々あります。

一番不思議なのは、内職。
まだ大して”できない”んだから
授業を聞いて、それをうちでもう一度復習するのが一番「効率的」。
なのに、こっちが文法説明をしている間、ひたすら別のテキストの漢字を書き写していたりする。
その書き写している間に、私の説明はどんどん通り過ぎる。
努力の仕方間違ってる(百歩譲って、出来が良くて授業に飽きている学生が内職しているのは許せるが)。

※日本語学校は学習塾ではないのでクラス替えを頻繁に行うわけではない。
(いろんな配慮があるんです)
もちろんうまく進むように考え抜いて1クラスに配置してくれるのだが、
どうしてもクラスの中で上と下でかなりの能力差が生まれる。
でも教師は(成績)上だけ見るわけにはいかない。本当に(成績と授業態度が)下を切り捨てたくなるが、それは私の立場でしてはいけないと思う。

もちろん、私も高校受験期は内職してましたね!
アホでした。
1回、世界史の先生があまりに内職が多くて(受験に関係ないと判断した学生らが内職していた)ブチ切れて授業せず帰ったことがありました・・・。

今ならわかる。申し訳ない。
立ってるから全部見えるんですよ・・・。
この説明するのに何時間準備してきたと思ってんだよ。
↑これは学生には関係ない。

語学習得は基本マンツーマンですね(無表情)。

ベテランの先生からしたら
「それでも振り向かせるのが教師」
だと思います。

知ってます。

でも。

心が折られます。

救いなのは、できるクラスで日本に興味を持っている数名が話を聞いてくれる時・・・。

ここで衝撃の事実。留学生の誰もが日本文化に興味を持っているわけではない。むしろ日本のことなんか知らない。日本お得意のアニメも流れていない国もある。日本はその国に何の影響もない。いやたぶんODAとか援助とかしているのではないかと思うが全然その功績は知られていない。車だってバイクだって、日本製はよく見るけど買いたい車はBMWやランボルギーニ。近くにインドのような大国があればその国が憧れになる。
世界には西洋以外の地域もあるという当たり前のことを思い知らされる。

別にどんな理由で日本に来ようと(犯罪に加担せず)日本語さえ勉強してくれればそれでいいのです。

でも「できない学生ほどかわいい」とか絶対に思わないです。

努力しない人を助けたいと思うほどこちとら人間できてねえ。

「努力の仕方がわからない」そうかもしれない。母国の教育が日本ほど発達していない国もあるだろう。
でもここは公立学校ではない。モラトリアムで来たのでもなんでもいいが、内職するくらいなら、母語で教師役やってほしい。

直接法(学生が習得したい言語を、その言語で教えること。日本語で日本語を教えること)の限界を感じています。。。


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